財産は1円たりとも他人には渡したくない
百合さんは浮気を繰り返し愛人を社員にする夫、奔放な娘に手を焼いて、やっと受け入れられるようになったのだとか。
「主人と娘からはいつも、ママは真面目だから、とバカにされていますよ。お義父さんは“百合さんは扇の要だ”と味方になってくれていたのに、女の気配がするでしょ。ここまで話したからぶっちゃけますけど、私、熟年離婚がしたいんです。お義父さんには、いろいろ事情を話し、弁護士さんとも話し合いが済んでいます。それなのに、これから女性が出て来て、結婚でもされてしまうと、またあの交渉をやらなくちゃいけない。お義父さんの財産は1円たりとも他人に渡したくありません!」
義父について聞くと、「ふつうのおじいちゃんですよ」と言う。ただ、ビジネスの第一線で長年働いてきて、今も来客があり、定期的にゴルフや将棋に通っており体も気持ちも若い。
「コロナが落ち着いた半年ほど前から、2~3日家を空けることも増えました。行き先を聞くと“私のことは構わなくていい”と言われてしまうんです。“家族だから心配だ”と言うと、“それなら別居してくれてもいい”と言うんです。予想外の返事が来て驚き、主人に伝えると“気にするな”と言う。全く納得できないので、もう一度話し合いに臨むと、“あなたは細かいことを気にしすぎる。一人の大人がどこに行こうといいだろう”と言われてしまったのです」
かつてなら、行き先と帰宅時間を伝えていたのに、それさえもしなくなってしまったそうです。
「お義父さんのことで主人ともさらに仲が悪くなってしまって……。主人は家庭内で起こるめんどくさいことは全部私に押し付ける。同居だって、“俺がオヤジを助けずに、誰がやるんだ”と強引に進めたのに、後始末はみんな私ですよ」
夫の実家には義母が残した大量の高級食器や着物、アート、靴、バッグなどが山のようにあり、その処分も大変だったそう。
「だからいずれ私は離婚したい。主人の介護は愛人にしてもらいます。私が老後を優雅に暮らすためにもお金が必要。お義父さんには、絶対に女がいる。そいつが誰か、後妻業の女じゃないかなどを確かめていただきたいのです」
【義父は貧困家庭が多いエリアの一戸建てに入っていく……その2に続きます】
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/