同居前提を受け入れて、33歳で結婚

琴子さんが夫と出会ったのは友人の紹介。かしこまったものではなく、お酒好きが集まって何度も飲み会をしていく中で仲良くなり、付き合うようになった。付き合う以前から夫の家庭事情は聞かされており、いずれ義母と同居しなければいけないことを理解した上で結婚に至ったという。

「夫は母子家庭で、2歳下の弟はすでに結婚して家を出ています。夫の実家は埼玉なんですが、夫は弟が結婚で家を出るタイミングで、1人暮らしから母を都内に呼んで一緒に暮らし始めたと言いました。夫の母は昔病気を患った影響で腕に少し不自由があるみたいで。

付き合うなどお互い考える前に、夫は自分のことを結婚しないかもと言っていたので、付き合うときに結婚の意志はあるのかを確認したんです。付き合ったとき、私は31歳、夫は33歳でしたから。その返事として『母親と同居してほしい』と言われました。それを受け入れて、私たちは結婚前提で付き合い始めました」

付き合って1年半で正式に婚約。2年で結婚に至り、最初は同じマンションの一室に空きがあったため、2階上の別フロアでの新婚生活がスタートした。

「夫は結婚してからの同居に対して気を遣ってくれたんだと思います。正直、提案してくれたときは嬉しかった。でも、夫の家賃の負担は1.5倍(母親の部屋を全額、新居を半額)になり、趣味のお金を削っている様子などを見ると申し訳ない気持ちになりました。

それに別居といっても近すぎるからご飯をどっちで食べるべきか、という問題も出てくる。義母は気遣いのある人で無理に誘っては来ないのですが、どっちでもいいようにと多めに準備をしてくれていたりして……。近すぎる別居って、お互いがより気を遣うものなのかもしれません」

結婚して1年後には3人で暮らし始めることに。気を遣いながらもうまくいっていた関係は、義弟の子連れ出戻りでバランスを崩してしまった。
~その2~に続きます】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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