定年半年前から、家事をするようになった

順風満帆だった30年間の夫婦生活。初めて異変を感じたのは半年前。

「主人が家事を始めたんです。それまで一切家事はしていなかったし、私も昔風の両親に育てられていますから、“殿方が外で働いたら、家はあなたが守りなさい”という考えを持っています。今、多様性などと言われており、娘たちからは“古いよ”と否定されています。でも、本当に多様性の時代であれば、旧式な家庭を営むことも認めてほしいと思うのです」

そんな妻・優子さんに対して夫は「今までありがとう。でも、自分でなんでもできるようにならないと」と言い、時間を見ては掃除や洗濯などの家事を行うようになったそう。

「主人が家事をするたびに、私の存在を否定されるような気持ちになっていました。そういう悲しみやイライラが伝わるのでしょうね。主人との仲がうまくいかなくなったような気がします。結婚30年間、一度もケンカしたことがなかったのに」

それに伴い、夫の外出の機会は増えていき、帰ってこないことも増えたそう。

「“どうしたの?”と聞くと、“仕事だよ”と言うんです。今年、65歳なのに、そんなに働くこともないと思うんですよね」

行動履歴を伺うと、月~木は外泊が多く、金~日は家にいるといいます。これは、既婚者同士の恋愛にありがちなパターンです。

「私は主人だけを見て生きてきたんです。主人があそこまで出世をしたのも、私の内助の功があったからです。娘たちが健康的で美しく成長したのも、私が手作りの食事を食べさせていたから。主人は自分の定年と同時に、家族も卒業してしまうのかと思うと、気持ちがソワソワしてきて、悲しくなるんです」

熟年離婚というと、妻から夫に対して離婚を打診するケースがニュースになりますが、夫から妻に対して離婚を切り出すケースは増えています。

「離婚はしたくありません。でも、このまま何もわからずに、主人と一緒にいるのは耐えがたいです。調査をお願いします」

【夫が帰ってこない理由は、別宅を構えていたから……その2に続きます】

探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/

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