「セカパは浮気ではない」
2人のやり取りは、ビジネスの話がベースでした。そして、最近の飲食店の動向を話しながら、飲み物をビールからワインに切り替えて、何も食べずにガバガバ飲んでいる。女性は「真知子ちゃん元気? あの子はええ子」などと褒めている。エロティックな雰囲気はほとんどありません。
ペアの探偵とともに、「あの2人に恋愛関係はないかもしれないね」と話しました。夫が持つ外へと開いていくような雰囲気と色気は、バーを再び行うからこそ、発されるオーラだったのです。今回は探偵のカンも外れたと思いました。
2人は1時間半話したところで、おもむろに立ち上がりお店の外へ。慌てて追いかけると、タクシーを捕まえて歌舞伎町方面へ。そして2人で歌舞伎町の中でも高級とされるホテルに入って行きました。ホテルに1歩踏み入れると、女性の方が積極的になり、ラブラブな雰囲気に。夫側に「たっぷりサービスをしてほしい」などと言っており、その色気にゾクッと来ました。
2時間後、5分の時間差で出てきて、それぞれの自宅に帰宅。女性は港区内のヴィンテージマンションに住んでいました。女性の夫は多忙で外出しがちのようでした。
以上を報告すると、「結婚してから6年間、理想の熟年婚夫婦として過ごしてきたのに」と泣いていました。
「この女性のことはよく知っています。主人のお店の常連で、親しいことは気になっていました。浮気の証拠を見ても、主人のことが大好きだし離れたくないんです」
嗚咽をしながら、「今日、これから主人と話します。事実を知っていることを主人に話せば夫は私に心から謝罪し、女性とは別れると思うんです」と言っていました。
その夜、真知子さんから連絡があり、「主人に話したら、“これは浮気ではない、セカパだ”と言って出て行ってしまったんです」と泣いています。
結局、その後、真知子さんと夫は離婚に向けて進むことにしたそうですが、急な環境の変化が重なり、真知子さんは心身の調子を崩してしまったとか。今は友達の手を借りながら、大阪に戻る準備を進めています。
“セカパ”とは、セカンドパートナーのこと。本命のパートナーの他に、デートを楽しんだり、時には男女の関係を楽しむ相手を指します。夫婦を取り巻く問題を解決するために、セカンドパートナーをお互いに持つ夫婦も増えています。ただ、男女関係は愛憎が伴うことも多く、セカンドパートナーがからむ浮気調査依頼も増えています。
性の多様性が認められる世の中ではありますが、お互いにその価値観を持ち、相互に理解をしていないと、どちらかが傷つく結果に終わってしまうこともあり、しっかりとした話し合いが必要だと感じています。
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/