取材・文/ふじのあやこ
離婚、再婚などで複雑化する家族関係。血縁のない家族(義家族)との関係で生じる問題、そして新たに生まれたものを、当人にインタビューして、当時感じた素直な気持ちを掘り下げます。【~その1~はコチラ】
今回お話を伺った望結さん(仮名・38歳)は8年付き合った男性の子どもを身籠るも、そのことがきっかけで別れ話に進展して、一人で子どもを産むことに。献身的に望結さんを支えてくれたのは母親でした。
「当時母親は働いていて、私も体調が許す限り働いていたので別々に暮らしていたんです。その間、母は私の家と実家を行き来してくれました。行き来している間は母は勤め先にお願いして車通勤にしてもらっていたみたいで本当にいつでも駆けつけてくれていました。感謝しかありません」
結婚3年目で夫から「子どもが欲しい」と伝えられた
望結さんが今の旦那さまと出会ったのは子どもが2歳のとき。仕事復帰した新しい勤め先で出会います。そして結婚したのは子どもが4歳のとき。当時は彼氏だった旦那さまが帰省するときに寂しそうにぐずる息子の姿を見て、お互いに結婚を意識するようになり、入籍に至ったのだとか。
「仕事はホームページの更新作業です。すぐに覚えられるような作業で、慣れたら自宅でも作業できるところからこの仕事に決めました。実家暮らしだと子どもを預けられるところが遠くて仕事で何かあってもすぐに迎えにいけないなどがあり、母親とはすでに離れて暮らしていたんです。だから自宅で作業できるところをメインに選びました。
夫と仲良くなるきっかけは自宅で作業するにあたり、個人間で仕事の連絡から始まり、徐々にプライベートの内容が多くなっていって、ですかね。勤め先が同じなので最初から子どもがいることは知っていたし、夫も子どもが好きだったのですぐに息子とは仲良くなりました。帰るときに息子が泣いて嫌がってしまうくらい。入籍した後に子どもが『もう帰らないんだ』って嬉しそうに夫に抱きついていた姿が印象的でしたね。結婚して良かったと思いました」
結婚してから2年ほど経ったとき、旦那さまから「子どもが欲しい」と伝えられます。そこから妊活をスタートしてすぐに望結さんは妊娠。しかし、その間ずっと心の片隅にある思いがあったと言います。
「血のつながらない息子と、2人の間に生まれる血縁のあるわが子を同じように可愛がってくれるのかなって。結婚後も子どもはできないようにしていたので、夫は相当の決意で言ってくれたと思います。それを私の個人的な不安で、もう子どもは欲しくないとは言えませんでした。
生まれてきたのは女の子。不安で一時は産むことを少し考えていたことを一瞬で忘れさせてくれるぐらい、かわいくて仕方なかったです」
【気を遣って上の子を可愛がる義母に、それをお願いする夫。次ページに続きます】