お義父さんではなく、母親の旦那さんは他人のような親族
旦那さまとは職場での同期入社で研修のときから一緒だったとのこと。付き合って3年の26歳のときに結婚に至ります。当初は結婚してからも仕事を続けていたものの、なかなか妊娠しないことで妊活を始めようと仕事を辞めた直後に妊娠が発覚したとか。
「仕事は接客業でシフトががっちり組まれていてなかなか休めなかったので、不妊治療を始めるにあたって仕事を辞めました。ホルモン測定をするために生理が来るのを待っていたら全然こなくて……。もしやと思って検査したら妊娠していたんです。タイミングにはびっくりしましたけど、泣いちゃうくらい嬉しかったですね」
奈々子さん夫婦は結婚式は行わずに、両家の顔合わせの食事会だけを行っていました。その理由は母親の再婚相手の存在です。何と呼んでいいのかわからない関係性に悩み、食事会だけを行うことに。食事会の席に参加してくれたものの、居心地は悪そうに奈々子さんの目には映ったと言います。
「戸籍も別々で、一緒にも暮らしていない。それでも一応義父になるのかな、父親の席に座るのかなとか色々考えたら面倒になってしまって。義両親も夫も私の母も私の好きにしたらいいという感じだったので食事会だけにしたんです。お互い一人っ子だったので私の家も夫の家も、両親と祖父母に私たちという計10人の参加でした。
食事会は大きな問題もなく、終始スムーズに進みました。その場は緊張していたのであまり覚えていないんですが、孫の予定といった下世話な話から仕事の話などですかね。母の旦那さんは祖父母ともあまり交流がなくて会話にはほとんど参加していませんでした。呼ぶべきだとは思い、母の旦那さんも結婚を喜んでくれていましたが、お互いが気を遣い過ぎて疲れちゃいましたね」
里帰り出産で戻ったのは祖父母の家。妊娠期間は居心地が良かった空間は子ども誕生で変わってしまい……。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。