「専業主婦は世間知らず」の言葉に夫の正体を知った
入籍して半年ほどで陽子さんは妊娠。妊娠中には母親に助けてもらいたいことがたくさんあったそうですが、旦那さまの意向もあり、どちらの親にも頼らずに妊娠を乗り越えます。出産後も両親には一瞬だけ会っただけだったと振り返ります。
「私が妊娠後期に実家に帰省したいと言ったら、夫は『俺は自分の両親に結婚してから会わないようにしているのにそれはない』と。結婚の条件にはなかったことなんですが、そこからしばらく無視されるなど怒っていますアピールが酷くて、結局頼ることはできませんでした。
出産後の病院には両親は来てくれましたが、夫のことを『気難しい人だから』と前もって伝えていたからなのか、孫の顔を見てすぐに帰っていきました。義両親は来てないとは思いますが、知りません」
家族3人で仲良く暮らしていた中に変化が訪れたのは、旦那さまが「子どもを義両親に会わせたい」と言ってきたことから。その場で今まで隠れて交流をしていたことも発覚します。
「夫は子育てに煮詰まった私に定期的に自由な時間をくれました。月に一度ぐらいなんですが、そのときに義実家に行ったり、呼んだりしていたみたいです。夫が『両親に会わせたい』理由として、義両親の希望だと伝えてきたことで今までの嘘が明るみになりました。夫自身も隠そうとしていなかったようで自分からその事実を話しました。
夫は一度言ったことはかなうまで折れない人なので、そこから子どもを連れて義実家に頻繁に帰るようになりました。いい気分ではなかったですけど、その時点ではまだマシでしたね」
旦那さまの要求は条件を無視したものになっていったとのこと。
「『もう時効でしょう』、『お互いに歩み寄ってほしい』と言ってきたんです。さらには『専業主婦なんだからこれ以上外との関わり合いを絶ったらより世間知らずになってしまう』とバカにしたように笑いながら伝えてきました。
今もその件に関しては話し合い中ですが、夫からの条件で専業主婦になり、自分の両親との交流も絶たれた今、離婚に向けて頼れる人もお金もない状態です。離婚したくてもできない状態にしてから条件を覆そうと結婚当初から計画を立てられていたなら、恐怖でしかないですね」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。