関係が近いからこそ、実態が見えなくなる家族の問題。親は高齢化し、子や孫は成長して何らかの闇を抱えていく。愛憎が交差する関係だからこそ、核心が見えない。探偵・山村佳子は「ここ数年、肉親を対象とした調査が激増しています」と語る。この連載では、探偵調査でわかった「家族の真実」について、紹介していく。

***

今回の依頼者は、加藤律子さん(仮名・64歳)です。律子さんは都内の資産家の一人娘で、不動産運営会社を経営しています。調査対象は会社の実質的な経営者であり、結婚38年の元公務員の夫(65歳)。夫は過去にも浮気疑惑があるとのこと。

【これまでの経緯は前編で】

夫は、慣れた様子で焼そばを買った

調査は律子さんの自宅から開始。白亜の御殿ともいえる高級マンションを想像していたのですが、いたって普通のマンションでした。ただ壁や素材はいいものを使っており、セキュリティが厳重なのがわかります。

夫が会社に行くという9時を狙って調査を開始。出入口は3か所あり、全てに探偵を配置。依頼者・律子さんに「夫はどの出口を使いますか?」と聞いてもよかったのですが、律子さんは素直で善良な女性です。人の役に立ちたいという気持ちが強い。

ですから、そんなことを私が聞けば、夫本人に「あなたはいつもどこから出入りしているの?」などと聞いてくれそうです。探偵調査で最もつらいのは、調査対象者が警戒すること。夫は婿養子を全うし、義父の信頼を得るほど察しがいい。それゆえに律子さんには何も聞かず、調査をすることにしたのです。

時間通りに夫が出てきました。姿勢がよく、太っておらず中肉中背。身長は170㎝くらいで、白髪を短く切りそろえており、デニムにジャケット姿でサクサク歩く。清潔感があり、シンプルなファッションをまとっている。女性にもモテそうです。

夫は駅までまっすぐ歩き、電車に1時間揺られて、各駅しか止まらない駅に下りました。

駅前のミニスーパーで、豚コマ肉と焼きそば、卵を買い、5分ほど歩いて築30年程度のアパートに入ります。慣れた様子でカギをあけていました。

外から音声を聞いていると、どうやらテレワークをしている様子。WEB会議っぽい音声が、外まで漏れ聞こえてきます。

自分の会社の他に、困難を抱える人を支援するNPO法人などの役員もやっているそうなので、それにまつわる音声も。

14時くらいに小学校3年生くらいの女の子が帰宅。荷物を置くとすぐ出ていきました。その後、17時に中学校の制服を着た男の子が帰宅。2人は仲がいいようで外まで笑い声が聞こえてきました。後に夫はこの男の子に、英語を教えていました。

18時に女の子が帰ってくると、焼きそばのいいにおいが換気扇から流れてきます。

【子供は2人だけではなかった……次ページに続きます】

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