成人してからの親の離婚に口出しはできない
ひかるさんは短大を卒業後にアパレルの販売員の仕事を始めます。仕事をして2年目のときに両親が離婚に至ります。
「私はまだ実家から通っていたんですが、その頃には父親はあまり帰って来なくなっていました。元々父親とは、嫌いじゃないけれどそんなに会話がなかったので、なぜ帰って来ないかなんて特に聞いたこともありません。理由は両親の不仲だろうなって察しはついていたし。
離婚については別々に話を聞きました。驚きはしましたが、特に反対はしていません。母親からは『一緒にいることが苦痛』と聞き、父親からは『別々になったほうがうまくいくから』と言っていました。そのときには、姉はすでに結婚していて私も社会人、反対する理由が見つかりませんでした」
離婚後は少し母親が不安定な時期があったものの、父親とはたまに会う良好な関係が続きます。そして離婚してから2年後、母親に恋人ができたとのこと。
「離婚してから母親は常に私にメールをしてきて、『いつ帰ってくる?』とか、少しでも遅くなると電話をかけてきたりと、私のことを束縛するようになりました。元々感情豊かな人なんですが、より激しくなって当時は言い合いをしたら母親がよく泣いていました。どっちが娘だよって感じになっていましたね(苦笑)。おそらく寂しかったんだと思います。
私は勤めて2年くらいで貯金もできたので、そろそろ一人暮らしをしようと予定していたんですが、そんなことを母親に言えるわけもなく、会社からは遠かったものの通い続けました。そんな生活が2年ほど続く中で、母は徐々に私に干渉しなくなっていきました。母のほうが帰ってくるのが遅くなることが増えたり、なんとなく母から女の雰囲気がしたり……。そして、『彼氏を紹介するので一緒にご飯を食べない?』と誘われました」
相手の男性はいい人。再婚について一切触れなかったことをホッとしていたそうですが……。
【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。