夫の家の家訓は、子育ても夫の世話も嫁が行うもの

奈実さんは第一子を無事出産。産後は様子を見に来てくれたり、気遣ってくれたりと義母との仲はうまくいっていたとのこと。しかし、退院してしばらく経ってから義両親が抱く嫁に対する価値観を目の当たりにして絶句してしまったそう。

「接客業をしていましたが、出産に伴い仕事を辞めてしばらくゆっくりしようと思っていました。夫は子育てに協力的で、車などの整備の仕事をしていたんですが、早く帰って来れるときは率先してオムツを変えてくれたり、お風呂に入れてくれたり。2人で過ごしているときよりも動いてくれる印象でした。

その姿を、家に遊びに来ときに見た義父は『なぜおまえがやるんだ。座っておきなさい』と。そして義母は『今の男性はイクメンを強いられて大変ね』と言ったんですよ。まるで私がさせているような口調でしたね。私はいたたまれなくなってすぐに夫と子どもの世話を代わり、母乳を上げるといって奥の部屋に引っ込んだんですが、すごく悔しかったです」

その後も、義母は子どもの世話についてだけでなく、奈実さん本人に晩ご飯の内容のことを聞いてくるようになったとか。

「義母との会話に困ったときには、人生の先輩として、離乳食のこと、子育てのことを、別に教えてもらいたくないけど会話のつなぎとして聞いていたんです。そしたら、『子どもばかりにかかりっきりになるんじゃなくて、奥さんとしての役割も忘れてはダメ』と。私だけでなく、夫が少し疲れていそうに見えたのか、『ちゃんとご飯は作ってもらっているの?』と私がいる前で聞かれたことも。

夫も空気を読んでなのか、義両親の前では何もしなくなりました……」

今もそれは続いていると言い、義両親の前では子育てを1人で行っているとのこと。

「義両親が亡くなるまで、ずっと続くんですかね。コロナ禍もあり、少し離れていた時期と親族で集まることがないからまだ耐えることはできていますが、新型コロナが終息したらどうなるのか……。我慢し続ける必要もないかもしれませんが、もしかして夫が義両親側についてしまったらどうしようという思いもあって。何も行動に起こせずにいます」

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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