義両親と距離を置いた原因は私。元奥さんはうまくやっていたのに……
奈津子さんと旦那さまは、ともに義母からの元奥さんと孫の話を聞かされるのが苦痛になっていき、距離を置くことに。結婚当初は旦那さまの実家に程近い千葉県で暮らしていたそうですが、2人で都内に引っ越します。
「千葉県といっても都心寄りだったので、お互いの会社と実家の中間の距離でどちらにも行きやすい場所だったんですが、結婚してから頻繁に私たちを呼び出しては過去の話をされるのが嫌で、事後報告で引っ越しをしました。義母には仕事の都合でと嘘をつきましたが、散々文句を言われましたよ。それに耐えられたのは夫が私と同じ考えだったから。夫が義母寄りの考えだったら離婚していたかもしれません。それぐらい当時は追いつめられていました」
頻繁に帰ることは控えていたものの、大型連休や法事などでは帰省していたと言います。そんな会える短期間でも義母は元奥さんと孫の話を止めることはなく、元奥さんを惜しむ発言までするようになったとか。
「私とは目も合わせずに『なんで別れちゃったんだろう』とか『もっと話し合っていれば今も仲良く一緒にいれたかもしれないのに』とか、離婚を悔やむ発言をするようになっていました。夫がその発言を注意しても『前の結婚ではそうじゃなかったのに変わってしまった』と泣き出したり、情緒不安定になってしまって……。その姿を見て、普段は物静かな義父もギョッとしたみたいで、夫と義父が話し合ってしばらく顔を合わさないことになったのです」
そこからコロナ禍もあり、会っていない状態が2年以上続いています。旦那さまは一人っ子ということもあり、このままではいけないとは思っているそうですが……。
「夫はあれから、義父なのか義母なのかはわかりませんが、たまに連絡を取っています。でも、私には一切内容は教えてくれません。いつからか夫婦の中で義両親のことがタブーになったみたい。私は逐一連絡を取っている母親と離婚後から連絡を取っていない父親がいて、どちら側の思いもなんとなくわかるのでどっちがいいのかわからなくて……。元奥さんは義母とはそれなりにうまくやっていたと思うと、子どもも産めない、義両親ともうまく交流できない自分に欠陥があるように思えてきて苦しいです……」
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。