仕送りは月30万円、最初にできた彼氏は、ホストの男性
お嬢様は、目立つ容姿ということもあり、自分をずっと出せずにいた。
「何をやっても悪口を言われますからね。3年前に亡くなった夫が娘を溺愛していたので、夫が生きていれば東京の大学に進学することは大反対したと思います。私はもともと東京出身で、結婚を機に九州に行きました。娘の好きにさせたくて、進学させたのですが、まあ東京というのはすごいところですね」
コロナ禍だったこともあり、入学式は6月。そこから上京してから数か月間、お嬢様からは毎日のように電話がかかってきて「私くらいの容姿の子はゴロゴロいるし、ちょっと歩くと夜の仕事のスカウトがすごい」と言っていたとか。
「あと、びっくりしたのは、男を見る目がないこと。それまで、“お前を守ってやる”という素朴な男子かストーカー、好きが高じて意地悪する男子しか周りにいなかったので、コミュニケーション力に長けた、東京の男性にコロッと来ちゃったみたいです。10月あたりに、ZOOM(ビデオ通話)で彼だという人を紹介されたのですが、いわゆるホストの男性でした。私からもわかるほど、異次元の世界の人のように細く、つるんとした白い肌に不自然に大きい目にカラーコンタクトを入れていました」
この男性とはすぐ別れ、その後も俳優見習い、アイドルなど、容姿端麗な男性とばかり交際していたそう。
「娘は女子大に通っているので、どこで知り合うのかと聞いたら、マッチングアプリとのことでした。私の世代からすると、ネットで知り合ったよく知りもしない異性と会うのには抵抗があったのですが、娘が言うには“身分証明書の提出があるきちんとしたアプリを使っている”とのこと。今の人はよくわからないと思いながらも、娘は充実しているようで、授業も一部再開し、連絡も少なくなってきて、ホッとしたところに音信不通になってしまったんです」
おかしいと思ったのは、月30万円の仕送りをしているにも関わらず、お金が足りないと言ってきたこと。
「私は会社をやっているので、お金はいくらでも渡せますが、いくら何でもひどい。最終的には“どうしてもあと、今月40万円欲しい”と言ってきて、断ったら音信不通になってしまったんです。きっと男を見る目がないくせに、一本気だから、何か変なことをしていたら困るんです」
調査をお受けすることにしたのですが、お嬢様には友達がいない。手がかりは現住所とマッチングアプリのアカウントのみ。長期戦に入ることを覚悟して、調査に入ることにしました。
【娘がハマっていたのは、恋愛だけではなかった……その2に続く】
探偵・山村佳子
夫婦カウンセラー、探偵。JADP認定メンタル心理アドバイザー、JADP認定夫婦カウンセラー。神奈川県出身。フェリス女学院大学卒業。大学在学中に、憧れの気持ちから探偵社でアルバイトを始め、調査のイロハを学ぶ。大学卒業後、10年間化粧品メーカーに勤務し、法人営業を担当。地元横浜での調査会社設立に向け、5年間の探偵修業ののち、2013年、リッツ横浜探偵社設立。依頼者様の心に寄り添うカウンセリングと、浮気調査での一歩踏み込んだ証拠撮影で、夫婦問題・恋愛トラブルの解決実績3,000件を突破。リッツ横浜探偵社 http://www.ritztantei.com/