祖父母の他界により、母親は離婚を選択。母親は一人家を出て行った

入退院を繰り返していた祖父は1年もしないうちに亡くなってしまいます。そしてその影響からなのか、祖母が塞ぎ込むようになり、母親に強くあたるようになったそうです。

「祖母は精神的なものが大きかったと思いますが、その前からひとりでできないことが増えてきていました。そのイライラもあったようです。別人のように声を上げるようになり、怖かったです。

次第に祖母はトイレもひとりでできないようになり、誰にも頼れなかったのか下着を汚すようになっていました。それを祖母は自分で洗っていたようです。でも、いつからか母が洗うようになっていました。そこでも父はまったく手伝うとか、祖母も母のことも気づかうことはしなかった。亭主関白かもしれないけど、僕はこうはなりたくないって強く思いました」

祖母も数年後には病気で亡くなってしまいます。葬儀、四十九日法要を終えたとき、両親は話し合いにより離婚してしまったと言います。

「僕も姉もそこまで母親が追いつめられているなんて知らなくて。話し合いの内容も詳しくは知りません。ただ別れることになったと晩御飯の時に話をされました。姉は高校を卒業後に働いており、僕は高校生でした。できれば母親に家に残ってもらいたかった。でも父の実家の持ち家だったこともあり、母親が家を出て行くことになりました。あの時母親について行くこともできたと思います。でも、京都を離れることになるのが嫌だった。つくづく子供だったなと思います」

子供を持ったことで離婚を選択した当時の母親の気持ちが痛いほどわかるようになった。
~その2~に続きます。】

取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。

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