富士フイルムのXシリーズは、世界の写真好きな人々に愛されているカメラです。その理由は撮ることを楽しめるカメラだからです。特に『X-Pro』はOVF(光学ファインダー)とEVF(電子ビューファインダー)を兼ね備えた世界で唯一のユニークなレンズ交換式デジタルカメラです。
その『X-Pro』が3年ぶりにリニューアルしました。撮る楽しみに加えて、遂に2000万画素超となった新設計のローパスレスセンサーを採用。高感度に強い画像処理エンジンと合わせてXシリーズ史上最高の高画質を実現しています。さらにAFを高速化して、測距点を49点から77点、最大273点まで増やしました。シャッター速度も最高1/8000秒を可能にし、フラッグシップ機らしく防塵・防滴に加えてマイナス10℃の耐低温にも対応します。
操作性も見直され、全て右手側で操作できるようにレイアウトを変更。フォーカスレバーが加えられ、指先の動きでフォーカスポイントが自由自在に動かせます。シャッター速度ダイヤルの小窓にISO感度ダイヤルが加えられ、銀塩時代の一眼レフカメラを思わせます。
本機の特徴であるハイブリッド・ファインダーも進化を遂げ、光学ファインダー選択時に右下にEVFを小さく表示でき、そこに視野率100%、2.5倍拡大、6倍拡大の画面を表示できます。これにより、光学ファインダーを見ながら、正確なフレーミングとピントの確認ができるようになりました。またユーザーからの要望の多かった視度補正機能も加わっています。
『X-Pro2』は、その高画質と色再現の美しさからプロカメラマンにも認められ、世界各国の撮影現場で使われています。富士フイルムは今年の4月からプロサービスを開始して彼らをサポートすることを表明しました。ミラーレスでAPS-Cサイズを採用することで、一眼レフよりも小型軽量で魅力的なシステムを構築できる『X-Pro2』はデザインも含め、まさにサライ世代のカメラ愛好家が待ち望んだデジタルカメラといえるでしょう。
デザインは一見『X-Pro』と同じに見えますが細かな変更があり、全体的にシャープな印象を受けます。
背面は操作系が右側に集められ、フォーカスボタンが加えられました。
軍艦部での大きな変化はシャッター速度ダイヤルにISO切り換えが組み込まれたことです。露出補正ダイヤルも大きくなりました。
ISO感度をマニュアルでセットすると数字が小窓に表れます。またシャッター速度には1/8000秒が加わりました。
アイピースの横には視度補正ダイヤルが新設されました。調整範囲はマイナス4からプラス2になります。
複雑な構造を持つアドバンスト・ハイブリッド・マルチビューファインダーは光学ファインダーとEVFをレバーを引くだけで切り換えられます。
光学ファインダー使用時にEVFの小窓を表示するERFと呼ぶ機能を新設。画面の外側まで常にクリアーな像を見ながら、AFのピントを確認できます。
フィルムシミュレーションにモノクロ専用の「ACROS」が加わりました。よりなめらかな階調と引き締まった黒が再現され、往年のモノクロフィルムのような高画質が楽しめます。