「水で焼く」というキャッチフレーズと共に、シャープの「ウォーターオーブン ヘルシオ」が登場したのが13年前。その後の「水」すなわち「過熱水蒸気」を使うオーブンレンジの先駆けとなった。
水を沸騰させれば100度で水蒸気となる。さらにそれに熱を加えることで、水蒸気はさらに高温の気体に変化、その温度は200~300度まで達する。その過熱水蒸気により、食材を焼いたり、温めたりするのが「ヘルシオ」の加熱方式の原理である。
その過熱水蒸気を利用して、オーブン本体をよりコンパクトにしたのが「ヘルシオ グリエ」だ。この大きさであればキッチンにも置きやすい。夫婦ふたり暮らしになったサライ世代には、ちょうど良いサイズのオーブンだ。
ノンフライ料理もできる。
小さくなっても「ヘルシオ」の機能を受け継ぐ。庫内に充満した過熱水蒸気は、水を使わないオーブン加熱に比べて高い熱量を持ち全体を包み込む。ことに店で買ってきた惣菜の温め直しが得意。天ぷらやトンカツなども外はサクサク、中はアツアツに仕上がるので、できたてに近い温め直しが可能だ。
さらに、余分な脂を落とす脱油機能もあるので健康的でもある。脂を使わないノンフライ料理にも対応、下ごしらえした鶏肉をトレイに並べて加熱するだけで、油で揚げなくても唐揚げができる。揚げ油の片付けも不要になり、キッチンに熱がこもることはない。
焼き野菜、焼きおにぎり、餅、グラタンなど焼き物の調理もこなせる。小さいながらも、大型のオーブンレンジの機能をひと通り有している。短時間で温めたいときには電子レンジで、野菜や肉などをじっくりおいしく仕上げたいときには本製品、といった使い分けをするとよいだろう。
取材・文/宇野正樹 撮影/植野淳 スタイリング/有馬ヨシノ
※この記事は『サライ』本誌2017年5月号の「サライの眼」欄からの転載です。