新着記事

2日目《苫小牧から札幌へ》【実録・JR北海道全線踏破10日間の旅】

昨年夏『サライ.jp』に連載され好評を博した《実録「青春18きっぷ」で行ける日本縦断列車旅》。九州・…

【夕刊サライ/川合俊一】ニューヨークへ、画家リロイ・ニーマンに会いに行く!(後編)(川合俊一の暮らし・家計コラム 第7回)

夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。火…

日本のそば発祥の地!滋賀県伊吹のそばと湖東の酒蔵をめぐる

取材・文/わたなべあや滋賀県は、県の真ん中に位置する琵琶湖を中心に東西南北4つの地域に分かれ…

高血圧の効果的な対処法は?気づかないうちに進行する「サイレントキラー」の恐怖

取材・文/わたなべあや高血圧は、サイレントキラーの異名を持つ通り、これといった症状が…

【夕刊サライ/神取忍】自分の体で効果検証中! 最近はまった特製ドリンクとラドンガス吸入器(神取忍の健康・スポーツコラム 第7回)

夕刊サライは本誌では読めないプレミアムエッセイを、月~金の毎夕17:00に更新しています。月…

国宝3点が結集!刺繍や綴織で表現された「糸のみほとけ」たちの展覧会

取材・文/池田充枝平面に表された仏の像といえば、絵画を思い浮かべると思いますが、日本では刺繍…

タイ料理の新スター「カオソーイ」を現地チェンマイで味わい尽くす!オススメ店3軒

文・写真/横山忠道(タイ在住ライター)日本ではマッサマンカレーやパクチー料理など、毎年のよう…

奄美を愛した孤高の画家・田中一村の画業を回顧する特別な展覧会

取材・文/池田充枝孤高の画家として知られる田中一村(たなか・いっそん、1908-1977)は…

頭がない剥製標本は何のため?あなたが知らない鳥標本の世界

文/柿川鮎子今年は夏鳥が大変少なく、多くの野鳥観察愛好人をやきもきさせています。鳥を…

日産 スカイライン|誕生から60年を経て進化を続ける国産スポーツセダンの雄【石川真禧照の名車を利く】

文/石川真禧照(自動車生活探険家)かつて4ドアセダンは人気車種だった。SUV全盛の時代になっ…

サライ最新号

ピックアップ記事

>>過去の記事へ

サライの通販

>>過去の記事へ

趣味・教養

「新刊書籍を面白く読んだら、著者に一言を呈するは礼である」(堺利彦)【漱石と明治人のことば109】

sousekiKotobaBanner2

今年2017年は明治の文豪・夏目漱石の生誕150 年。漱石やその周辺、近代日本の出発点となる明治という時代を呼吸した人びとのことばを、一日一語、紹介していきます。

【今日のことば】
「新刊の書籍を面白く読んだ時、その著者に一言を呈するは礼であると思います」
--堺利彦

堺利彦の夏目漱石あて書簡(明治38年10月28日付)に綴られたことばである。文面は、さらにこうつづく。

「小生は貴下の新著『猫』を得て、家族の者を相手に、三夜続けて朗読会を開きました。三馬の浮世風呂と同じ味を感じました」(中島国彦・長島裕子編『漱石の愛した絵はがき』より)

漱石の処女作である『吾輩は猫である』の第1回の原稿が雑誌『ホトトギス』に掲載されたのはこの年の1月。たちまち評判となり、1回だけの短篇のつもりが、次々と続篇が書かれ、思わぬ長篇となっていった。

友人知己からは、多くの書簡で感想が寄せられた。

だが、漱石と堺利彦とは面識も交流もない。だから、葉書の表面の宛て名書きも「本郷帝国大学/文科大学/夏目漱石様」とのみ記される。

明治の読書人の律儀さと、知識階級の間に流れるある種の仲間意識のようなものが読み取れて興味深い。

堺利彦は、幸徳秋水らと平民新聞を立ち上げた社会主義者。枯川と号した。

堺は自身の飼い猫に「ナツメ」という名前をつけていたという。この猫の名前が原因で、堺利彦が電車賃値上げ反対のチラシを配る行列に加わったとき、そこに堺の妻とともに漱石夫人の鏡子も参加していたという誤報が都新聞に掲載されるという出来事もあった。

知人からこのことを知らされた漱石は、

「電車の値上には行列に加らざるも賛成なれば一向差し支(つかえ)これなく候。小生もある点に於て社界主義故(ゆえ)堺枯川氏と同列に加わりと新聞に出ても毫(ごう)も驚く事これなく候」

と返書(明治39年8月12日付)にしたためている。

文/矢島裕紀彦
1957年東京生まれ。ノンフィクション作家。文学、スポーツなど様々のジャンルで人間の足跡を追う。著書に『心を癒す漱石の手紙』(小学館文庫)『漱石「こころ」の言葉』(文春新書)『文士の逸品』(文藝春秋)『ウイスキー粋人列伝』(文春新書)『夏目漱石 100の言葉』(監修/宝島社)などがある。2016年には、『サライ.jp』で夏目漱石の日々の事跡を描く「日めくり漱石」を年間連載した。

himekurisoseki-3

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

関連記事

  1. 「秋立つや一巻の書の読み残し」(夏目漱石)【漱石と明治人のことば…
  2. 「年の暮れには追憶を、年の初めには希望を」(幸田露伴)【漱石と明…
  3. 「見果てねど はた見あきねど我が夢は 四十余年の夢多き日々」(滝…
  4. 「子供のために一流の文学者が進んで執筆しなければ嘘だ」(鈴木三重…
  5. 最晩年の谷崎潤一郎が愛する風景を詠んだ歌【漱石と明治人のことば3…
PAGE TOP