右から0系、100系、300系、700系と歴代の車両が並ぶ。車体に触れることで、鉄製とアルミ製の違いを感じ取れる。

JR東海の企業博物館として2011年に開館した「リニア・鉄道館」。テーマのひとつが「高速鉄道技術の進歩」だ。館内には1954年に時速129kmという狭軌(※線路の幅が1067mm)における蒸気機関車の速度記録を作ったC62型17号機や、1966年に時速443kmを達成した955形新幹線試験電車、そして2003年に時速581kmという当時の世界最高速度記録を作った超電導リニアMLX-01-1が並んでいる。それらのスピードスターとともに、東海道新幹線の初代の0系から現在のN700系までの5つの形式の先頭車に出会える施設はここだけだ。

新幹線の歴代食堂車も展示

1975年の新幹線博多開業で登場し1999年まで営業した0系36形式食堂車。8号車に設置され、テーブルの定員は42人だった。

また0系や食堂車も懐かしい。特に背の高い2階建て車両だった100系168形式の食堂車は、眺めのいい食堂車として人気の的だった。それぞれの時代の先駆けとして活躍した在来線車両の展示も見もので、総数39両の歴史的車両が見られる。このほか、運転の難易度が3段階に切り替えられる新幹線シミュレータや、総面積220平方メートル、レールの総延長約1kmという東海道本線の沿線を再現した鉄道ジオラマも圧巻。名古屋で下車して訪ねたい高速鉄道のミュージアムだ。

全長が約4.6mにもなる東海道新幹線16両編成の模型も見応えがある。沿線の風物や物語も豊かに再現。鉄道の24時間を表現する。

リニア・鉄道館

愛知県名古屋市港区金城ふ頭3-2-2
電話:052・389・6100
開館時間:10時〜17時30分(最終入館は閉館30分前まで)
入館料:1000円
休館日:火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始 ※大型連休、お盆、年始期間等は一部火曜日も開館
交通:名古屋駅からあおなみ線で金城ふ頭駅下車、徒歩約2分

取材・文・撮影/杉﨑行恭

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