駿府城にて最期を迎える

天正14年(1586)、東海一の実力者としてその名を世に知らしめることとなった家康とともに、於愛の方は駿府城へと移ることに。しかし、駿府城での暮らしで心労が重なったとされる於愛の方は、天正17年(1589)、28歳の生涯に幕を閉じることになります。

於愛の方の遺骸は、駿河国(現在の静岡県)の龍泉寺に葬られることになりました。江戸幕府が開設された翌年の慶長9年(1604)、家康は龍泉寺に朱印地(寺社の領有が保証された土地)30石と、自画像、そして、父の広忠(ひろただ)から譲られた太刀を寄進し、17回忌の法要も営んだとされています。

さらに、息子の徳川秀忠は龍泉寺に大伽藍を建てて、母・於愛の方の大法要を行ったとされ、この時に於愛の方の戒名が改められることになり、龍泉寺は彼女の法号である「宝台院」と呼ばれるようになったのです。

死後も大切にされた於愛の方。周りから愛される人柄であったということをうかがい知ることができます。

まとめ

夫を亡くすという辛い過去を乗り越え、家康の側室となって、のちの将軍を授かった於愛の方。親しみやすく、優しい性格で周囲から愛されていたという逸話が残されています。その名前の通り、愛情をもって周囲と接し、家康の心の支えとなった人物であったと言えるでしょう。

※表記の年代と出来事には、諸説あります。

文/とよだまほ(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
肖像画/もぱ(京都メディアライン)
HP:https://kyotomedialine.com FB

引用・参考図書・サイト/
『日本人名大辞典』(講談社)
掛川市公式ホームページ
浄土宗金米山 宝台院公式ホームページ

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