「あれ? なんて漢字だったっけ」と悩むことが多くなっていませんか? 少しだけ思い出す努力をしてみるものの、結局は「まあ、いいか」と諦めることもあったりして、記憶の衰えを実感することもあるのではないでしょうか? しかし、思い出すことが記憶力の鍛錬につながると言われています。
動画を見ながら漢字の読み書きをすることで、脳のトレーニングとなります。また、この記事を通じて、読むこと・書くこと・漢字の意味を深く知り、漢字の能力を高く保つことにお役立てください。
「脳トレ漢字」第126回は、「曇天」をご紹介します。「天」の字が入っているとおり、天気を指す単語です。
脳トレ漢字の動画を見ながら“読んで書く”ことで、記憶力を鍛えながら、漢字への造詣を深めてみてください。
「曇天」はなんと読む?
「曇天」という漢字、読み方に心当たりはありますか?「曇」が「雲」という字に似ているため、つい「うんてん」と読んでしまいそうですが……
正解は……
「どんてん」です。
『小学館デジタル大辞泉』では、「くもりの天気、くもり空」と説明されています。「曇天」は、天気の「曇り」を表す書き言葉です。会話ではあまり用いられず、文章で、例えば「本日は曇天だ」や「曇天続きで、稲の生育が悪い」といった使い方がされます。
「曇天」と同じ字を使った「晴曇(せいどん)」という熟語は「晴れとくもり」の意味です。「“晴”天と“曇”天」を指しています。また、転じて「気持や表情がはればれしたり、暗くなったりすること」という意味も。
「曇天」の漢字の由来とは?
「曇天」を構成する漢字を一文字ずつ見ていきましょう。「曇」は「空が雲におおわれること」を、「天」は「そら」を意味しています。
「曇(どん)」の字は「日」+「雲」でできている会意文字です。「“日”光が“雲”にさえぎられる」の意があり「くもること」を表します。「曇(くも)る」という動詞が指すのは天気だけではありません。「はっきりしないこと」や「つやがなくなること」、「心が晴々しないこと」という意味も含まれています。
「曇天」の他にも…「曇り」の表現
「曇り」とは「雲、霧などで空が覆われ、雨天ではないが、快晴ではない状態」のこと。「曇天」は「曇り」を表す文章語でしたが、他にはどんな「曇り」の表現があるでしょうか。
例えば「薄曇り(うすぐもり)」は「薄い雲がかかって曇ること」を、「花曇り(はなぐもり)」は「桜の咲く時期の曇った天気」をいいます。また「雨曇り(あまぐもり)」と言えば「今にも雨の降りそうな曇り方」を意味します。他にも「曇日(くもりび)」や「雲翳(うんえい)」など……。
このように、曇りの状態に応じて、多彩な表現があるのが日本語の魅力です。
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いかがでしたか? 今回の「曇天」のご紹介は皆さまの漢字知識を広げるのに少しはお役に立てたでしょうか? 見上げた空が「曇天」模様の際には、ぜひ漢字を思い浮かべてみてください。
来週もお楽しみに。
文/トヨダリコ(京都メディアライン)
アニメーション/貝阿彌俊彦(京都メディアライン)
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