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【ASD(自閉症スペクトラム)と子育て実態調査】ASD理解ギャップ編|ASDに対する認知・理解の実態とそのギャップについて株式会社博報堂の次世代育児アイテムPechat(http://pechat.jp/)開発チームと博報堂こそだて家族研究所(http://www.hakuhodo.co.jp/archives/announcement/24207)は、学習塾や障害児支援事業を行う株式会社 LITALICO(https://h-navi.jp/)と共同で、ASD(Autism Spectrum Disorder=自閉症スペクトラム(*))の診断や傾向のある子どもを育てる家庭の実態や、周囲の支援のあり方を把握するため、「ASDと子育て実態調査」を実施しました。

今回は「ASD理解ギャップ編」と題し、ASDの診断や傾向のある子どもを持つ保護者と典型発達の子(*)を持つ保護者のASDに対する認知・理解の実態とそのギャップについてご報告します。

【ASDと診断された子・グレーゾーンの子の割合】

■0~22歳までの子の中で、「ASDと診断された子」は2.3%(推計60万人)、「グレーゾーンの子」は5.4%(推計138万人)で、合計すると約13人に1人という割合になります。

■ASDと診断された際の年齢は2~3歳が特に多くなっており、合計すると約4割を占めます。ASDと診断された際の年齢

■気づいた「きっかけ」として、「発語の遅さ」(37.7%)、「医師や専門家から言われた」(34.1%)、「パニックを起こす」(29.3%)などが上位に挙がりました。

Q. お子様が「ASD(自閉症スペクトラム)」ではないかと思ったのは、どのようなことがきっかけでしたか。(MA)お子様が「ASD(自閉症スペクトラム)」ではないかと思ったのは、どのようなことがきっかけでしたか

【ASDの認知・理解状況】

■「典型発達の子」の保護者の約8割(80.7%)が、「ASDという名前を知っている」と答える一方で、ASDが「どのような特性か何となくわかる」人は約3割(29.9%)、「特性の内容について詳しく知っている」人は約6%と、特性まで理解している人はまだ少ないことがわかりました。ASDの認知・理解

■さらに、「ASDと診断された子」の保護者の約半数(45.7%)は、「(ASDの特性について)世の中から正しく理解されていない」と感じています。「(ASDの特性について)世の中から正しく理解されていない」

【ASDについて知る・学ぶ機会へのニーズ】

■ASDについて「知る・学ぶ機会がほしい」と答えた人は、「グレーゾーンの子」を持つ保護者が32.7%と比較的高く、三者の中で最もニーズを感じていることがわかりました。

(「ASDと診断された子」の保護者で28.4%、「典型発達の子」を持つ保護者で23.9%。)
「グレーゾーンの子」の保護者は、医療機関の診断がないこともあり、情報が少なく周囲に相談できる人も少ないことも、「知る・学ぶ機会へのニーズ」を持つようになる理由のひとつと考えられます。知る・学ぶ機会へのニーズ

【ASDの特性に対する理解内容のギャップ】

■ASDの主な特性を挙げ、各内容について知っているか聞いたところ、以下のような内容が、「典型発達の子」の保護者に特に知られています。

・「社会的なコミュニケーションや他の人とのやりとりが上手くできないことがある」(47.5%)
・「学校で特別支援を受けることがある」(45.3%)
・「一度決めたやり方やルールにこだわり、変化を受け入れられないことがある」(42.6%)

■「ASDと診断された子」の保護者と、「典型発達の子」の保護者の理解内容を比較すると、医学的な知識のほか、周囲の対応方法に関する知識を広めることの重要性もうかがえました。

具体的に、ギャップが大きかった上位3項目は、以下の通りです。

・「知的障害やADHD、学習障害やてんかんなどが併存する場合もある」(差分52.6ポイント:以下pt)
・「行動を切り替えるタイミングを知らせておく、見通しを持たせるなどが重要」(52.4pt)
・「発達の特性自体が『障害』になるとは限らず、周囲の不理解や自尊心の傷つきを減らすことが重要」(51.1pt)

※本調査は以下の専門家による監修のもと実施いたしました。

菅佐原 洋(すがさわら・ひろし)氏
公認心理師/臨床心理士/臨床発達心理士
LITALICOジュニア チーフスーパーバイザー
発達心理学や応用行動分析学を専門とし、発達障害のある子どもへの直接支援、幼・小・中学校教職員への特別支援アドバイザー、教育センター等での研修などに20年以上携わっている。また大学教員として、臨床心理士育成などに関わっており、現職においても支援に関わる指導員への研修やスーパーバイザーの育成の統括を担当している。

〈調査概要:ASDと子育て実態調査(1)〉
調査手法:インターネット調査
調査エリア:全国
調査時期:2020年1月
調査対象者:20~60代男女(N=13,262)
-ASDと診断された0~22歳の同居子を持つ保護者(N=440)
-ASDの診断はないが、疑いがある(グレーゾーン)0~22歳の同居子を持つ保護者(N=988)
-ASD以外の発達障害の診断や疑いのある0~22歳の同居子を持つ保護者(N=523)
-ASDやその他の発達障害の診断や疑いのない(典型発達)0~22歳の同居子を持つ保護者(N=11,311)

*ASD(自閉症スペクトラム):「スペクトラム」と言われる通り、虹の帯のように境目なく連続しており、症状や特性は一人ひとり多様です。また、生活における困難さは個人の特性と周囲の人的・物的環境との相互作用によっておこるため「どこからどこまでが障害」と機械的に線引きできるものではありません。最近では、 ニューロダイバーシティ(neurodiversity:自閉症スペクトラムなどの発達障害の特性は障害ではなく「ヒトの脳の神経伝達経路の多様性」とする考え方)も広がっています。

*「グレーゾーンの子」:医療機関での診断はないが、ASDの疑いがあると保護者が感じている子。

*「典型発達の子」:自閉症スペクトラムやその他の発達障害の疑い圏にいない子。NT(神経学的典型: neurotypical)という分類が由来。

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