健康

リコピンにんじん「京くれない」100％使用の特製ジュースを開発した理由

2019/6/14

サライ読者にはおなじみの通販別冊『大人の逸品』から、オリジナルのにんじんジュースが商品化された。それもただのにんじんではない。近年よく知られるようになった健康成分「リコピン」を豊富に含む、特別なにんじんだ。

近年、食生活の変化から生活習慣病が増加しており、それらの疾病予防として野菜がもつ色素成分の機能性に注目があつまっている。そこに注目し、現代の生活者が求める新たな野菜の品種を開発しようと取り組んでいるのが、「桃太郎トマト」で知られる1835年創業の老舗・タキイ種苗（京都府）である。

同社では約25年前に、健康維持機能をもつ成分を多く含み、なおかつ食味にすぐれた機能性野菜の研究プロジェクトをスタート。同社が保有する数十万種の遺伝資源と、培われてきた品種改良技術を注ぎ込み、数々の新品種の育成に取り込んだその成果は、同社独自の『ファイトリッチ』シリーズとして、現在までに16品種が商品化されている。野菜品種を栄養成分からとらえて育成し、シリーズ化したことは、世界的にも前例がないという。

その『ファイトリッチ』シリーズのなかでも特に注目に値するのが、『京くれない』というにんじん品種である。金時にんじんと五寸にんじんの中間種で、鮮やかな赤色が特徴。一般的なにんじんに豊富に含まれるカロテンとともに、通常にんじんにはほとんど含まれないリコピンがバランスよく含まれている。

カロテンもリコピンも、どちらも生活習慣病の要因のひとつとされている活性酸素を防ぐ抗酸化性のあるカロテノイドだが、とくにトマトに多く含まれていることで知られるリコピンはその効果が高いとされている。一方のカロテンは体内でビタミンＡに変換され視覚機能や視力に関与しコレステロール低下にも効果があるといわれている。「京くれない」はこの両者をバランス良く含み、しかもにんじん臭も少なく甘味に富んでいるため、にんじんが苦手な方にも抵抗がない。

そんな新品種リコピンにんじん『京くれない』の存在を知った『大人の逸品』スタッフは驚いた。「こんな面白いにんじんがあるとは。これはジュースにしたら最高ではないか！」。そう考えた『大人の逸品』編集部では、さっそく「京くれないジュース開発プロジェクト」を始動させた。

『大人の逸品』スタッフは、おりしも収穫シーズンを迎えていた『京くれない』の生産者を京都府の丹後半島に訪ね、この特別なにんじんを直接買い付けることに成功（上の写真はその際撮影したにんじん畑の様子）。長野県は浅間山に程近い契約工場に依頼し、そのまま絞って１００％ストレートジュースに仕立ててみた。風味はさらりと飲みやすく、たしかに、これならにんじんが苦手な方もごくごく飲んでいただける。期待以上の出来であった。

手応えを感じた『大人の逸品』編集部では、ジュースのph調整のために添加が必要なレモン汁の分量を調整するなどして、『京くれない』本来の風味を最大限に味わえるように試作を重ね、ついに商品化が正式決定。商品名は、野菜（ヴェジタブル）を捩った「Vegica （ヴェジカ）」をブランド名に掲げ、個別名称としてリコピン＋キャロットの造語を付して『Vegica リコキャロット』と名付けた。

『京くれない』100％使用のストレートにんじんジュース『Vegica リコキャロット』は、初回600本を製造。2019年5月リリースの『大人の逸品　初夏号』誌上でお披露目および販売開始となった。

発売後じわりじわりと増えている出荷数を目にしながら、担当者は「手前味噌ですが、こんなに美味しいにんじんジュースは、他にはあまりないと思います。ぜひもっと多くの方に味わっていただきたいですね！」と目を輝かせている。

従来のにんじんにはほとんど含まれないリコピンを豊富に含みながら、にんじん本来のカロテンもたっぷり含んだ、体に優しくさらりとおいしい『大人の逸品』特製のにんじんジュース。ぜひご賞味いただきたい、自慢の逸品である。