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三好和義さん/楽園写真家(56歳)【達人たちの「ワタシの、センタク。」第12回】

「楽園の原点は、中学時の沖縄旅行だった」

海と南の島々が好きな少年は、沖縄の旅で数々の〝楽園”と出会う。それらを蒐集するために選んだのが、写真。楽園探しの旅に終わりはない。

 

_DSC3561_修正.Q←みよし・かずよし 昭和33年、徳島市生まれ。高校2年生で東京・銀座ニコンサロンで個展開催。昭和61年、初写真集『RAKUEN』で木村伊兵衛賞受賞。“楽園” を求めて世界各地を巡り、近年は日本の世界遺産など日本人の精神性をテーマに撮影。最新写真集に土門拳に捧ぐ『室生寺』がある。

 

子供の頃から南の国が好きだった。家業はバナナの輸入業で、家にはいつも南国の甘い香りが漂っていたし、故郷の徳島の駅前にはヤシの木があったりしたからだ。
「毎週、台湾から届く青いバナナの山には、僕の大好きなカブトムシや巨大なタガメなどが潜んでいたりして、南の島に憧れました」
夢が叶うのは中学2年の夏休み。復帰したばかりの沖縄、それも宮古島や石垣島、西表島まで捕虫網とカメラを持って旅した。オオゴマダラやコノハチョウが採れたのも収穫だったが、初めて潜って見たエメラルド色の海と熱帯魚に感動した。ここは“楽園”だった。
この旅でプロのカメラマンと出会ったことが、職業としての写真家を意識した最初である。高校1年の時に宮古島を再訪。この時の写真で、銀座ニコンサロンで個展を開く。ここで個展を開くのが夢という写真家は少なくないが、審査に合格するのは容易ではない。それを16歳の少年が叶えたのだ。
大学では練習船で南太平洋の島を巡り、波の写真を撮っていた。
「当時はまだ写真家になるか、マグロ漁師になるか迷っていた。漁師には魚という実体があるが、写真家にはそれがない。食べていけるのかと、不安もありました」
その後、数々の写真賞を受賞し、プロの写真家への道を「センタク」する。大学卒業直前に、株式会社『楽園』を設立。この社名には西洋的な風景だけではなく、中国の桃源郷のよな東洋的なイメージも込められている。文化をも含めた“楽園”である。
その思いが、近年追い求めている日本の社寺や仏像に繫がるのだろう。日本の“楽園”だ。
「昆虫採集で美しい蝶を手に入れるように、感動した風景や仏像を自分のものにして持ち帰りたい。写真はそれができる。その写真集を手に取ってくれる人がいれば、感動を共有もできるのです」
楽園を追う旅は、まだまだ続く。

_DSC1428←“いかに美しく撮るか” を考えて綿密な準備をし、あらゆる条件が揃うまでひたすら待つ。その延長線上に“楽園” 写真がある。平成26年8月、沖縄本島で撮影する三好和義さん。

SCAN_001+←『富士山』の写真集もある三好さん。初めての富士登山は中学1年生の時。背後に見えるのは、平成11年まで山頂にあった測候所のレーダードーム。

 

 

 

●転機となった40年前の沖縄の写真を中心に、最新作も展示するニコンサロン(東京・大阪)の個展情報は「ワタシの、センタク。」のウェブサイトで公開中です。 

ワタシの、センタク。
http://towa-sentaku.jp/anohito/sarai/

提供/東和薬品

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