前回の記事「実は視力より大事! 目のはたらき低下度がわかる23の簡単チェックリスト」では、目のはたらきが低下していないか、チェックしてみました。
しかし、目のはたらきが悪くなる原因には、間違った目の使い方をしている場合があります。
目は誰でも同じように使っているのではなく、実は利き手のように利き目があったり、それぞれにクセがあります。
以下のような方法で、目の使い方にクセがないか、チェックすることができます。
■目の使い方のクセをチェックする方法
まず、両手を揃えて、親指の付け根が鼻につくようにします。
【近くを見る】
50センチほど離れた机やパソコンの画面の線など水平な線を目標にします。
【遠くを見る】
3メートル以上離れた家具やカレンダーの線など水平な線を目標にします。
いかがでしたか?
遠くを見るときも、近くを見る時も左右の高さにズレがなければ、左右の目を上手く使っています。
左右の高さにズレがあったり、まばたきをするとき一瞬ズレたりする人は、左右どちらかの目に負担をかけている可能性があります。
■片目だけに負担がかかると出る支障
どちらかの目だけに負担をかけ続けていると、目のはたらきが悪くなり、さまざまな支障がでてきます。例えば……
(1)本を読むとき、行を飛ばして、読んでしまう
(2)まっすぐな線を描けない
(3)文字を書く時に右肩上がりなど斜めになる
(4)階段を下りるときに転げ落ちそうな不安に駆られる
読んでいる行を飛ばしたり、階段を転げ落ちそうになったりするのは、目標物との距離感や立体感が正確でないことが原因と考えられます。
走り方や投げ方なら、他人と比較して使い方を間違えていることに気づくことができます。
しかし、普段の生活では使い方にクセがあってもズレを調整しながら見ているので、なかなか自分の間違った目の使い方に気付きません。
自分だけ見え方が違うなんて、考えたこともないですよね?
ましてや「目の使い方を間違えている」とも思ったことはないはずです。そのような気付きの遅れが目のはたらきを低下させてしまう原因のひとつなのです。
■効き目を知って両目を使うようにしよう
腕に右利き左利きがあるように、目にも右利き左利きがあります。
あなたはどちらの目が利き目か知っていますか? 分からない人はここで調べてみましょう。
【利き目チェック】
両手で輪をつくり、その中心に目標物を入れ、少し離れた位置から両手で見ます。
左右交互に片目で輪の中の目標物を見ます。
輪の中の目標物が見えた方が利き目です。
利き目でない方で見ると、輪の中から目標物が消えます。
* * *
目も腕と同じように、動きの中心になるのは利き目。目の利きだけでも片目を酷使するので、両目をバランスよく使う意識が必要です。
また利き目と利き手が左右逆の人は、体が歪みやすくなるので、姿勢が悪い子どもなどは席の場所などを工夫してあげることも大切です。
詳しくは拙著『1日5分でアタマとココロがすっきりする眼球体操』をご参照くださいね。
文/庄司真紀
監修/松島雅美
指導/松島雅美(まつしま・まさみ)
1972 年、広島県に生まれる。京都女子大学大学院修士課程修了。 臨床心理士。メンタルビジョントレーニングスペシャリスト。一般社団法人国際メンタルビジョントレーニング協会代表理事。Je respire 株式会社代表取締役社長。精神神経科クリニックや教育機関などで、のべ20,000 人以上をカウンセリングしてきた実績がある。視覚機能とメンタル機能を同時に鍛えるアイパフォーマンスメソッドを日本ではじめて構築し、スポーツ選手や子どもなどのパフォーマンス向上に向けた取り組みを行っている。
【参考図書】
『1日5分でアタマとココロがすっきりする眼球体操』
(松島雅美・著、セブン&アイ出版)