今回、みなさんにご紹介したいのは、南米ボリビアの高地にあるアグロ・タケシ農園で栽培されている豆です。
コーヒーは通常、赤道近くの平均気温18℃前後の高地で栽培されます。チェリーがゆっくりと時間をかけて熟すと、より風味の豊かなコーヒーになります。そのため、昼夜の温度差が大きな標高の高い場所での栽培が鍵になります。
このアグロ・タケシはボリビアの南ユンガス地方のヤナカチという小さな村にある農園で、広大な敷地はタングステン鉱山に隣接しています。もともとはベリーなどのフルーツを栽培していましたが、マネージャーのマウリシオさんがコーヒー栽培を思いつきました。
標高が高すぎると霧害のリスクが常にあり、生産性の低い品種ゆえの高コストに専門家の反対もありましたが栽培に成功。チーム一丸で実現したタケシドリームでした。この農園のあるエリアの標高は1900~2600mで、世界でも群を抜いた高地農園です。2009年にはボリビアのナンバーワンを決めるカップ・オブ・エクセレンス品評会で、見事に1位に輝きました。
ボリビア・アグロ・タケシ
南米ボリビアの高地にある農園で生産される豆。品種はティピカ。繊細な酸、赤い花を思わせる香り、甘い後味が長く。酸味と苦みのバランスの良い中煎りが最適。100g1050円から。
丸山珈琲小諸店
電話番号:0267・26・5556
ウェブサイト:http://www.maruyamacoffee.com/
文/丸山健太郎
昭和43年、埼玉県生まれ。平成3年に軽井沢に『丸山珈琲』を開店。年間140日以上、世界の各生産地に足を運ぶ。日本スペシャルティコーヒー協会理事。
イラスト/なかむらるみ
※本記事は『サライ増刊 男のだいどこ』2012 春号に掲載されたものです。
※記事の内容は掲載当時の情報です。