フィンランドとポーランドに挟まれた地域、バルト三国。その中心に位置するラトビア共和国の首都リガから、名料理人が来日しました。天皇皇后両陛下をはじめ、エリザベス女王からメルケル独首相まで、皇族、貴族、要人たちが舌鼓を打ったという名店「VINCENTS」のシェフ、マーティンシュ・リーテンシュさんです。
マーティンシュさんはイギリス生まれ。カナダ、ジャマイカ、サウジアラビア、タイと各地で活躍し、1994年にラトビアで今の店の料理長となります。
右が「VINCENTS」のシェフ、マーティンシュ・リーテンシュさん。
ラトビアではスローフード運動の立役者として知られ、地産地消を重視し、有機栽培を徹底する生産者らを応援し、最高の食材をともにつくりあげているといいます。また、日本の牛肉を評価していて、九州の宮崎牛を採用しているそうです。
今回のレセプションでは、ラトビアならではの食材を使った料理が披露されました。
まず、黒ライ麦のパン。凝縮感があり、香り、味わいともに濃厚なパンは、通常のパンと異なり密度が高く重い。この黒ライ麦パンを薄く切って、その上に魚や肉の加工食材をのせてパーティなどのフィンガーフードにします。
バルト海で獲れたイワシを燻製にし、オイル漬けにした缶詰の保存食「スプラット」は、シャンパンなどにも合うといいます。
また、有機飼料などで育てられたチョウザメを、生きたまま優しくマッサージして絞り出したという最高級キャビアは、防腐剤や化学薬品などを使わず、冷凍解凍もしないという逸品。
北欧で採れるベリーやカボチャなど、秋の食材も豊富です。
寒冷地のラトビアではワインがつくれず、リンゴからシードルをつくり、白樺のジュースも飲むそうです。
また、24種類もの薬草を使ったハーブ酒「ブラックバルサム」は真っ黒で、独特の香りと苦みがあり個性的な味ですが、日本の養命酒に似ていると言われ、体にいいとのこと。カシスジュースで割ったりすると飲みやすくなります。
この独特のラトビアの食文化が、11月に東京で体験できます。六本木のグランド・ハイアット東京(11月12日~17日)では、マーティンシュさん監修によるメニューが提供され、スペシャルディナーも開催予定(13日、17日)。
伊勢丹新宿店(11月14日~17日)では、地下1階のキッチン・ステージにて、シェフ監修の料理が提供され、セミナーも開催予定(15日、16日の昼)。
食欲の秋、美食の秋ですが、知られざる欧州の食を味わうには、またとない機会となるでしょう。
■グランド ハイアット 東京
URL:http://tokyo.grand.hyatt.com/ja/hotel/home.html
■伊勢丹 新宿店
URL:http://isetan.mistore.jp/store/shinjuku/