東京の下町っ子はそばと言えば「もり」で「かけ」はいただきません。
そばはうどんと違い、香りを楽しむもの。
「かけ」ではそばがつゆに浸ってしまい、それが味わえないためです。
にもかかわらず、唯一その禁を破ってしまうのが、ひばりが丘「たなか」の「かけそば」です。
なんといっても、つゆが秀逸です。
この出汁ならば、たとえそばの香りが楽しめなくともいただきたいという気持ちになるのです。
つゆは控えめながら、奥行きを感じさせる、滋味あふれる美味さ。
「たなか」の「かけそば」はシンプルを極めていて、七味などなにも振りかけずに、つゆとそばのみをしみじみと味わいます。
一杯500円とは、にわかに信じがたいお値打ちです。
飲みながら、再びナパへでかけたい思いが強くなりました。
■たなか
東京都西東京市ひばりが丘1-15-9
042-424-1882