天候を気にせず、気軽に名店の味が楽しめ、個性的な店が集まる地下街は、都会の「オアシス」であり地域の魅力が凝縮された「観光地」でもある。その楽しみ方を案内する。
開業時から続く名店
昭和の面影をとどめた「ヤエチカ」の喫茶店、それが『アロマ珈琲』だ。店主の蓮田由紀さんは30代で父親が創業した店を引き継いだ。今や「ヤエチカ」の生き字引のひとり。蓮田さんは語る。
「父の代から世界各国の珈琲豆を輸入しています。30kg釜を使って直火式自家焙煎でじっくり焼き上げます。お店ではその焙煎豆を使い、香り豊かな珈琲を味わっていただいています」
長年通う顧客も多い。
「なかには両親がこの店で初デイトしたと聞いたのでやってきました、という若者もいました」と蓮田さん。
以前、八重洲界隈には銀行が多かった。店は連日、銀行の女性事務員でいっぱいになったという。
「その後銀行の数が減り、男性客が中心となりました。ところが近年また土日を中心に女性客が増加しています。スマホで店のことを知ったという方が多くなりましたね。時代は回るものですよ」と蓮田さんは語る。
アロマ珈琲
東京都中央区八重洲2-1八重洲地下街中4号
電話:03・3275・3531
営業時間:平日6時30分〜21時30分、土曜7時〜、日・祝7時30分〜
定休日:元日 75席。
●「ヤエチカ」の各店舗は、いずれも東京駅八重洲中央口より徒歩約3〜5分以内です。
※この記事は『サライ』2023年3月号より転載しました。