取材・文/池田充枝

20世紀最高の物理学者と称されるアルバート・アインシュタイン(1879-1955)は、20世紀前半に相対性理論やブラウン運動の理論を提唱、光電効果の理論的な解明によって1921年にノーベル物理学賞を受賞しました。

博士のノーベル賞受賞100年を記念して、博士の功績や人となりを紹介する展覧会が開かれています(10月10日まで)。

Photo/Bettmann/Getty Images

本展は、国内外の貴重な資料やイスラエルのヘブライ大学の特別協力によるゆかりの品々の展示、体験装置やゲームなど多面的な展示構成となっています。

幼少時のアインシュタイン 
(C)Hebrew University of Jerusalem

アインシュタイン博士の功績について、大阪市立科学館学芸員の上羽貴大さんにうかがいました。

「アインシュタインは大学卒業後、教員や特許局員として働き、そのかたわらで研究していました。そして26歳の時、3つの理論を立て続けに発表しました。その一つが、時間と空間が互いに関連しあうという、かの有名な『特殊相対性理論』です。

では、彼は何をなしとげたのでしょう。

「光電効果」の解明に対し、ノーベル委員会-スウェーデン王立科学アカデミー-から送られた賞状(複製) (C)Hebrew University of Jerusalem

ひとつは、物質を構成する最小単位『分子』が実在するか否かという科学界の一大論争に決着をつけたことです。微粒子が水中で絶え間なく動き続ける謎の現象『ブラウン運動』が、水分子の衝突によること、そしてその観察から、分子の存在が実証できることを示しました。もうひとつは、ミクロの世界の理解に不可欠な『量子力学』を開拓したことです。『光は波』という当時の定説を破り『光は粒の性質も持つ』と説明し、金属に光を当てると電子が飛び出す現象『光電効果』の謎を解明しました。ノーベル賞受賞はこの業績によります。これらの理論が発表された1905年は、『奇跡の年』と呼ばれています」

一般相対性理論の体験展示「天体になって宇宙を歩こう」(名古屋展[名古屋市科学館・2021年]の様子)

言葉では難しいけれど体験してみるとよくわかる展示です。会場に足をお運びください。

【開催要項】
ノーベル賞受賞100年記念「アインシュタイン展」
会期:2021年7月17日(土)~10月10日(日) 
会場:大阪市立自然史博物館 ネイチャーホール(花と緑と自然の情報センター2階)
住所:大阪市東住吉区長居公園1-23
電話:06・4301・7285(なにわコール)
公式サイト https://www.ktv.jp/event/einstein/
開館時間:9時30分から17時まで(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照

取材・文/池田充枝

 

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