2019年、100歳で他界した堀文子。わずか5歳で関東大震災を経験し、世の無常を悟った文子は、めまぐるしく変化する時代を冷静に見つめ、厳しくも温かな趣を宿した画業を構築しました。
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平成25年(2013)
名都美術館蔵 第一期展示
三回忌を迎えた本年、80年に及ぶ画業とその人となりを振り返る展覧会が開かれています。(9月20日まで)
本展では、新所蔵を含む本画所蔵全作品と500点以上のスケッチから選りすぐりの作品を一期、二期を通して一堂に公開します。
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本展の見どころを、名都美術館の鬼頭美奈子さんにうかがいました。
「画家としてはもちろん、凛とした生き様も多くの支持を集めた堀文子。惜しまれつつ100歳で他界した文子の画業を当館コレクションにより紹介します。
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本展を楽しむポイントは2つ。まずは、35歳から97歳に至る本画を一挙公開する点です。常に新鮮なまなざしで世界と対峙した文子の画風は、時代ごとに変化を遂げ、折々の興味や感動を映し出しています。初期の大作《山》(1953年)、造形的魅力にあふれた《結実》(2011年)など8点の新収蔵品を含むコレクションは、四半世紀にわたって文子との交流を続けた当館ならではの内容だといえるでしょう。
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次なるポイントは、500点余りのスケッチから選りすぐった作品を展覧し、文子の素顔を読み解く点です。対象と出合った驚きや喜びがストレートに表れたスケッチは、みずみずしい筆遣いに本画とは異なる趣が漂います。花の画家と称された実力がうかがえる花々、自然の本質にせまる風景、躍動的な人物など、高揚感伝わる表現はきっと皆さんの心に響くに違いありません」
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自然への優しくも真摯なまなざし!! ぜひ会場でご鑑賞ください。
【開催要項】
所蔵品展「追悼 堀文子 スケッチと本画でたどる人と芸術」
会期:第一期7月9日(金)~8月9日(月・振休)
第二期8月21日(土)~9月20日(月・祝)
会場:名都美術館
住所:愛知県長久手市杁ケ池301
電話:0561・62・8884
公式サイト:http://www.meito.hayatele.co.jp
開館時間:10時から17時まで(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日(ただし8月9日、9月20日は開館)、9月10日~20日(夏季休館)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
取材・文/池田充枝
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