終息の見えないコロナ禍において、不安に思う人が大多数だろう。だが、必要以上に不安になってはいないだろうか。マネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研(https://souken.shikigaku.jp/)」から、仕事に集中するために不安を打ち消す方法を学ぼう。
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あなたが不安なのは、「事実」を見ていないからである。感情に振り回されないために、まず「事実」を見ること。
それは「事実」か「感情」か
コロナに関する情報は日々どんどん入ってきます。もちろん恐れるべき部分は、正しく恐れるべきでしょう。
ただ一方で、必要以上の不安や恐怖に襲われている人も見かけます。理性ではなく感情だけで動いてしまっている人です。
「今後、仕事がなくなるかもしれない」とか「世界がおかしくなってしまうかもしれない」などと、必要以上に怖がる。必要以上に不安になっている人も多いでしょう。
ワイドショーなどは、おもしろおかしく注目を集めるように報道します。ネット上には根拠なく持論を展開する人たちもいます。経営者のなかにも、感情や空気に流されて「自粛しなければ」と騒いでいる人もいます。
こういうときに大切なのは「事実」を見ることです。
感染者数、死亡者数、病床の数……。何が危険で、何がそうではないのか? 漠然と「旅行すると危ない」「飲食店が危ない」と考えるのではなく、事実に基づいて冷静に判断すること。「事実」に基づいて大局観をとらえれば、正しい判断ができるはずです。
「まわりが騒いでもやるべきことは変わらない」
私の会社・識学の社員は「事実を見る」という癖がついています。
彼らのマインドは「いくら日本中が騒いだとしても、自分たちのやるべきことは変わらない」というものです。
2021年4月5月のいちばん自粛ムードが強かったときでも「自分たちがやれることは何か」ということを徹底していました。Web商談を増やしたりすることで、商談数は1.6倍とむしろ増えていました。
何が起きてもうろたえるのではなく、まず「事実」を見る。そのうえでやるべきことが変わらないのであれば、淡々とやる。ビジネスにおいても、それが大切なのです。
今ある環境下でいかに成果を上げるか
なぜ社員たちはこんなにも冷静だったのか? そこには秘密があります。
経営者である私は、日頃から社員に対して「配慮」をしません。つまり「大丈夫?」「こういうなかでもがんばれる?」といったように、社員に気を使ったりすることがないのです。つとめて会社自体が「無機質な環境」であり続けるようにしています。
経営者も会社も「無機質」なので、社員たちは「環境のせいにする」ということがなくなります。「今ある環境下でいかに成果を上げるのか?」という思考に瞬時になるわけです。
彼らはコロナショックが起きても「いかに言い訳をしようか」という前に「この中でどうしたらいいのか」を考えて動きます。それは普段から会社側が配慮しないことを徹底してきた強さです。それを私は誇りに思っています。(むしろ私がいちばん動揺していたかもしれません……。)
何が起きても「これが環境なんだ」と瞬時に判断し、「その環境下でどう動くか」という思考になる。そういう人間は強い。環境のせいにしても仕方がない。ウイルスに文句を言っても仕方がないのです。
環境というのは今ここにある「条件」なので、そのせいにすることほど無駄なことはありません。
「きみの感想は聞いてない」
仕事をするうえで「それは事実なのか? 個人の解釈じゃないのか?」 そこを常に確認することが重要です。
私の会社では、事実の報告以外は上がってきません。「今後ヤバそうなんですけど……」「将来的に大丈夫なのでしょうか……」といった会話もない。もしされても「きみの感想は聞いてないよ」で終わり。「どういう事実があったの?」と返すだけです。
こう書くと冷たいように思うかもしれませんが、これが実はいちばん感情に流されず、スピード感を持って仕事を進められる方法なのです。
「事実だけを見る」ことは、わかっていても難しいという人がいます。思い込みが強かったり「なんとなく不安」という人も多いでしょう。でも事実だけを見るというのは、そんなに難しいことではありません。
人間の「行動」は、置かれた「環境」に対する「意識の反応」によって起こります。環境を認識し、それに対する反応によって、行動する。ということは、環境認識を誤ると行動を誤ることになります。
よって、まず環境認識を間違えないことが大切なのです。
いまそこにある「事実」を正しく認識し、「環境」を正しく把握できれば、当然「行動」も正しいものとなります。
自分にとっての「本当の恐怖」は何か?
では、人が環境認識を見誤るのはどういうときでしょうか?
それは「恐怖」を認識する場所を間違えたときです。
「何がいま本当に危険なのか?」 その認識を誤ると行動も誤ります。自分にとって何が危険なのかを正しく認識する必要があるのです。
コロナの件でいえば「いま自分がコロナにかかって死に至る確率」はどれくらいあるでしょうか? もちろんゼロではありません。しかしこの数ヶ月で判明してきた事実・数字を見れば、そこまで大げさに恐れる必要はないということがわかってきました。エビデンスが揃ってきて、事実が明らかになってきたわけです。
一方でコロナを必要以上に恐れ、仕事をやめてしまう。営業をしない。するとどうなるでしょうか? 自分の給料は下がるでしょうし、下手をするとクビになる。そのほうが危険ではないでしょうか?
私たちの会社では、そこをきちっと認識しています。よって「自分や自分の会社にとって何がいちばん危険なのか」を正しく認識した行動ができたのです。
事実だけを見れば、不安や恐怖がなくなる
いかに「事実」に基づいて行動できるか? そこが重要です。
ただ私も、昔は「事実に基づいた判断」はできていませんでした。「事実を突き詰める」という感じではなく、やはり感情に流されていました。
部下に対しても、よく「配慮」をしていました。部下がつらそうにしていたら「大丈夫か?」と声をかけてみたり、やる気を失っていそうだったら飲みに連れて行かなきゃいけないのかな? と思ってみたり。
ただ識学を知った今、一切そういうことはしなくなりました。
事実でやりとりするようになってからは、余計なメンタルを使わなくなったので楽になりました。人間関係で悩むこともゼロになりました。仕事もスピード感がグッと増して、成果もどんどん出るようになりました。
事実だけを見ることは、冷たいように思われますがむしろ逆です。余計な不安や恐怖がなくなるので、心は軽くなります。上司も部下も気を使わなくていいため、仕事に集中できるようになるのです。
引用元:安藤広大/株式会社識学 代表取締役社長 note「組織にルールを。」
https://note.com/kodaiando
この記事を書いた人:安藤広大/株式会社識学 代表取締役社長
組織マネジメントの専門家。早稲田大学卒業後、NTTドコモ入社。2006年にジェイコムホールディングス入社。2015年、株式会社識学を設立。業績アップの成果が口コミ等で広がり、コンサルティング実績は2000社超に。
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いかがでしたか? 過度に不安になることなく、感情を排除して事実だけを見る。これがどんな環境下にあっても仕事に集中し、成果を上げる方法です。終わりの見えないコロナ禍にあっても、成果をあげるべく、実践していきたいものですね。
引用:識学総研 https://souken.shikigaku.jp/