首都クアラルンプールから約200キロ北にある古い都、イポーの街。第二回目は幽霊屋敷として名高いミステリアス・スポット、ケリーズ・キャッスルや巨大な洞窟寺院に隠された黄金に輝く大仏さまに会いに出かけました。
■昔のエンジニアはお金持ち! ケリーさんのお城へ
イポー2日目。昨夜、マレーシアの風習である中国オープンハウス(https://serai.jp/tour/22108)で、グビグビと飲んだビールがまだ残っているのか、頭はぼんやり、眠い目をこすってバスに乗り込みました。
これから向かうのは、郊外にあるケリーさんのお城、ケリーズ・キャッスル。100年以上前に建てられた古いお城なのだそうですが、いったいケリーさんって誰なんでしょう? ガイドのおじさん、書(しょ)さんに聞くと、「東インド会社のエンジニアだったスコットランド人だよ」と教えてくれました。
王様ではなくお仕事はエンジニアというから、別荘風の小さなお城を想像していたのですが、バスを降りてみてびっくり。小高い丘の上に地上四階建てのレンガ作りの立派なお城がそびえ立っています。
昔のエンジニアは、お給料よかったのでしょうか? 北インドの建築家が設計し、インドから連れてきた大工さんが建てたこのお城、一見、ヨーロッパ風だけど、中に入れば丸みを帯びた窓枠や天井などインドの豪邸を思わせるエキゾチックな雰囲気。しかし、家族と住むために豪邸を建て始めた矢先、ケリーさんはポルトガルへの出張中に亡くなってしまいます。
悲しんだ奥さんと子供たちは帰国してしまい、城は未完成のまま風雨にさらされ荒れていきました。ケリーさんは出張ついでに自宅に取り付けるエレベーターをイギリスで買い付けようとしていたそうですが、もし取り付けていたら、マレーシア初のエレベーターになったそうです。
ケリーさん、さぞや無念だったことでしょう。ガランと空洞のエレベーターホールだけが残っています。いつの時代でもマイホームはお父さんの夢ですから。