麹を使ったバゲットや薪窯で焼く食パンなど、今食べたいパンは、豊かな旨みが広がる、力強い味わい。名店の逸品を紹介します。

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真っ赤な色はいちごの濃縮果汁によるもの。酸味のあるパイナップルとクランベリーの果肉が味わいに華を添える。4分の1個842円。

フルーツより濃厚な果実味と新感覚の口当たりに驚く
『しかたらむかな』の赤いフルーツパン“いちご”

みずみずしい。オーブンで焼き上げるパンには適さない言葉だが、中村隆志さんのパンは、今までの概念をすべて覆すほどの新しさにあふれている。

店のフラッグシップであるフルーツパン“いちご”は、まず印象的な鮮やかな赤色に釘付けになる。切り口のしっとり感、口に含むととろけるような滑らかさ、濃厚なフルーツの味と香り、という具合に食べ進むごとに驚きは続く。

いちごの色を忠実に、パンに表現しました

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店名の「しかたらむかな」は、オーナーシェフの中村隆志さんの名を下から読んだもの。

アイデアの素は「ピンク色のパンがあったらいいのに」という遊び心からという。ベースは、レーズンやヨーグルトなどでつくる自家製酵母を使用し、水分を約130%含んだ高加水の生地。いちごの濃縮果汁とフルーツ類をふんだんに加え、ゆっくり発酵させる。すると、酵素によってグルテンが柔らかくなった生地は、焼いた後もみずみずしさが持続し、新感覚の口溶けが実現するのだ。

つねに話題のパンを生み出す中村さんの、パンづくりの第一歩は高校生のとき。漫画を読んで焼いたパンが家族に喜ばれたのが素直にうれしくて、この道に進んだという。“人を喜ばせたい”という思いは変わらず、これからも新しいパンが誕生するに違いない。

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楽しい名づけはパンにも表れ、いちじくとレーズン、オレンジ入りのパンは“たわわ”、定番は“みんなのパン”とセンスがいい。

●しかたらむかな
住所:東京都新宿区若宮町13-1 kif annex101 
電話:なし 
営業時間:10時30分〜13時(予約)、13時〜15時(予約不要) 
定休日:火曜、水曜 
交通アクセス:東京メトロほか飯田橋駅より徒歩約5分

取材・文/石出和香子 撮影/佐々木美果

※この記事は『サライ』本誌2026年3月号より転載しました。

3月号大特集は『ジャパニーズウイスキーを極める』

 

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