歴史あるキャンパスには、大人が興味を惹かれる施設や場所が多数ある。医学史、自然誌、演劇、文学から仏教美術まで。大人の好奇心が大満足! 前編に引き続き、近藤芳正さんに京都大学を案内してもらった。
歴史的な建造物の宝庫、吉田キャンパスを歩く|京都大学(前編)はこちら。
https://serai.jp/hobby/1220132
貴重な標本や展示物で生物と地球の来歴を識る|京都大学総合博物館


京都大学のもうひとつの見どころは、「京都大学総合博物館」だ。大正3年(1914)の竣工以来、日本で最も古い大学博物館組織であり、博物館の規模も最大級だ。
同博物館は、100年以上にわたって蒐集してきた貴重な学術標本資料など260万点を収蔵している。その一部を、自然史系(動物標本など)、文化史系(埴輪や古文書など)、技術史系(機械模型など)の3分野に分けて、長年の研究の蓄積を交えながら、わかりやすく展示している。
マニアックな「牡蠣」の研究紹介もあれば、ナウマンゾウの巨大な骨格標本も目に入る。京大の槇山次郎教授(当時は助教授)が、浜名湖(静岡県)付近で発見された新種のゾウの化石に、ナウマンゾウと命名したことなどの情報が添えられている。
歴史好きの近藤さんが、ふと足を止めて見入ったのが、鉱物標本のコーナーだ。収蔵標本は2万点。これも国内最高峰・最大規模のコレクションを誇る。
「実は妻がジュエリー販売を手掛けているのですが、見たこともない美しい鉱物ばかりです。絶対、興味を示すだろうなあ。改めて、妻と再訪したいですね」

熱帯雨林を忠実に再現

ひときわ目を惹くのは、1階の床から伸びる巨木だ。京大は、ボルネオ島(東南アジア)の熱帯雨林「ランビルの森」をマレーシアと共同研究しており、その調査風景を再現したという。実際、型を取り、木を忠実に再現。研究用吊り橋も館内に設置し、現地録音の音も流れる。熱帯雨林を擬似体験できるのだ。
「京都で暮らし始めて、京大出身の方と知り合う機会も増えたのですが、皆、個性的。この博物館もユニークな研究の集合体で、石棺や大きな埴輪、珍しい昆虫標本など、見ていて飽きません」


京大巡りの最後は、正門脇にあるレストラン『カンフォーラ』。名物は、“大学カレーブーム”の火付け役となった「総長カレー」だ。
「トマトの酸味がありながらスパイシーで、癖になりますね。牛肉もゴロゴロ入っています」と近藤さん。
もともと、カレー好きで知られる第24代の尾池和夫総長にちなんで、平成17年に学内でカレーフェアを実施。このときのいちばん人気を『カンフォーラ』で限定発売したところ、人気に火がつき、定番メニューとなった。その後、尾池総長自ら監修する「総長カレー」という名の欧風ビーフカレーが誕生。現在はレトルトパックも大学生協で売られ、京大土産の定番となっている。
ブームの火付け役「総長カレー」を食せる!|カンフォーラ


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京都大学吉田キャンパス

(1)京都大学総合博物館
電話:075・753・3272
開館時間:9時30分〜16時30分(入館は16時まで)
休館日:月曜、火曜
入館料:400円
(2)カンフォーラ
電話:075・753・7628
営業時間:平日11時30分〜14時
定休日:土曜、日曜、祝日
(3)時計台生協ショップ
電話:075・753・7630
営業時間:平日10時〜19時、土曜11時〜15時
定休日:日曜、祝日
スタイリスト・衣装/rainmaker kyoto 濱ノ上

