鉄道ファンならずとも旅情をそそられる。それが鉄道写真家の中井精也のワンショットです。中井精也は1967年、東京生まれ。2004年春から毎日1枚、必ず鉄道写真を撮影するブログ「1日1鉄!」を継続中。2021年より日本各地を旅しながら期間限定のギャラリー+ショップ「ゆる鉄画廊NOMAD」を展開中です。

笠間日動美術館で開催の「中井精也写真展 Happy Train! ~輝く季節の中で~」は、旅に出たくなる気持ちを誘う展覧会です。(3月15日~5月25日)
本展の見どころを、笠間日動美術館の長谷川翠さんにうかがいました。
「中井精也氏は、鉄道車両だけにこだわらず、鉄道にかかわるすべてのものを被写体として「1日1鉄!」や「ゆる鉄」など独自の視点で新しい鉄道写真のジャンルを切り開いてきた写真家です。

鉄道路線が走る周囲の風景や人々の暮らし、乗車中に感じるのんびりした雰囲気など、旅情に満ちたあたたかみのある写真は多くの人々を惹きつけ、雑誌のほか「中井精也の絶景! てつたび」(NHK BSプレミアム)などテレビにも活躍の場を広げてきました。

同会場では鯉江充氏による鉄道のジオラマ作品を展示し、本物さながら大迫力のジオラマ撮影も楽しめます。
鉄道ファンからファミリーまで、鉄道の魅力をさらに深く味わえる展覧会です」

Happy Trainという言葉がぴったりの心癒される写真が並びます。ぜひ会場で心の洗濯を!!
【開催要項】
中井精也写真展 Happy Train! ~輝く季節の中で~
会期:2025年3月15日(土)~5月25日(日)
※会期中イベントとして3月15日(土)には中井氏本人によるギャラリートークを開催。4月12日(土)、4月13日(日)には美術館内に中井氏のギャラリー&ショップ「ゆる鉄画廊NOMAD」がオープン。
会場:笠間日動美術館
住所:茨城県笠間市笠間978-4
電話:0296・72・2160
公式サイト:https://www.nichido-museum.or.jp
開館時間:9時30分~17時(入館は16時30分まで)
休館日:月曜日(ただし5月5日は開館)
料金:公式サイト参照
アクセス:公式サイト参照
取材・文/池田充枝
『ゆる鉄絶景100 中井精也写真集』

A4判112ページ、3960円(税込)問い合わせ:小学館 電話:03・5281・3555
鉄道写真家の中井精也さんが2024年4月2日に発売した写真集『ゆる鉄絶景100 中井精也写真集』が、増刷が続き好評だ。本書は、毎日1枚の鉄道写真を投稿する自身のブログ「1日1鉄!」が20周年を迎えたことを記念し、国内でこれまでに撮影した作品100点を集大成としてまとめたものである。装丁は数多くの著名な写真家の写真集などを手がけるデザイナーの三村漢さんが担当した。
タイトルにある「ゆる鉄」という言葉は中井さんの作品を象徴するキーワードだ。その言葉の意味を中井さんはこう語る。
「ふつう鉄道写真というと車両の先頭や全体が分かるように撮ります。でも僕が写真で伝えたいのは鉄道の周りに漂う目に見えない旅の情緒や心地良い雰囲気なんです。そんな鉄道写真を、僕は『ゆる鉄』と名付けました」
鉄道にそれほど詳しくなくても旅好きなら思わず作品に目を止めてしまう、素敵な写真が満載の一冊だ。
