コロナ禍を経て、人々の結婚式への考え方は変化しているように見受けられます。近年は、少人数での結婚式が増加傾向にあり、その中の一つである「海外での結婚式」を選択される方もいらっしゃいます。

子どもが成人すると仕事や一人暮らしが始まり、一緒に旅行にいく機会はなかなかないものでしょう。海外でのウエディングパーティーは多くの方にとって思い出深いものとなります。普段あまり会話する機会がない親子であれば、子どもと落ち着いて向き合える貴重な時間にもなるでしょう。

本記事では、海外でのウエディングパーティー事情や費用、反対意見の例をご紹介します。

目次
海外でのウエディングパーティー事情
海外ウエディングの親目線の魅力
海外挙式の費用問題
親が海外ウエディングに反対の事例
最後に

海外でのウエディングパーティー事情

2023年に行なわれた調査では、実際に海外挙式を実施した人の割合は0.6%という結果となったそうです。2020年の調査では7.1%だったことから、ここ数年は感染症などの社会情勢が大きく関わっていることが見受けられます。(参考:ゼクシィ結婚トレンド調査2023 報告書【首都圏】)

ようやく世間が以前の日常に戻っていく中で、海外挙式を検討される方も一定数いらっしゃるようです。非日常を味わえるリゾート地が人気で、ハワイやグアム、バリなどのビーチリゾートの挙式は「リゾ婚」とも呼ばれています。

海外での結婚式は、比較的準備が簡単というメリットがあります。現地での打ち合わせが不可能だからこそ、現地の会社に一任することが可能となり、結婚式準備は衣装決めなど最低限で済むケースが多いです。そのためには、信頼できるプロデュース会社を選ぶことが大切になります。

ゲストは身内のみであることが多い

海外挙式では友人、会社関係者を呼ぶことは稀です。一般的には、きょうだいや家族、親しい親族までを招待するものとされています。国内であれば、親しくなくても付き合いの関係で招待しなければならない人もいるでしょう。

海外でのウエディングパーティーは「本当に招待したい人」だけを招くことができるので、煩わしい招待客選びに悩む必要はありません。

海外ウエディングの親目線の魅力

両家の親にとって、結婚式は子どもの人生の大きな節目です。海外ウエディングの魅力は、親にとっても特別な体験になります。

1.両家の交流が深まる

場合によっては、結婚式が両家にとって初めて一堂に会する場となります。特に海外挙式では、リラックスした環境の中で、普段はなかなかできない会話が自然と生まれます。家族同士の絆が深まる、かけがえのない時間となるでしょう。

2.親の役割に気を遣わない

日本の結婚式では、親は主催者側としてゲストに気を配ることが多く、ゆっくり子どもと過ごす時間が限られます。しかし、海外での家族だけの挙式なら、親もリラックスして式に臨め、心から結婚式を楽しむことができます。

海外挙式の費用問題

海外挙式は、エリアにより金額は異なります。比較的物価が高めのハワイであれば、およそ200~250万円前後が相場とされています。グアムやバリは日本と近いため滞在日数も短く、ハワイに比べて物価も低いので挙式費用は抑えられる傾向にあります。

アメリカ本土やヨーロッパは高額なイメージですが、遠方のためゲストは両親のみ、もしくは誰も招待しないケースが多いものです。ゲストにかかる費用が抑えられることから、およそ200万円程度に収まるケースが多いとされています。

ご祝儀はどうする?

家族以外のゲストをお招きする場合の海外挙式では、「ゲストの旅費を負担するか否か」を気にされる方は多いのではないでしょうか。厳密な決まりはありませんが、一般的には「ゲストの旅費を一部でも負担する場合はご祝儀を受け取る」、「ゲストが旅費を自己負担する場合はご祝儀は辞退する」のどちらかになります。

後々お金のことでトラブルにならないためにも、招待を打診する時点でゲストには渡航費やご祝儀の説明は必要でしょう。断りを入れていても、ご祝儀を下さる方がいらっしゃることもあります。その場合は、いただいた金額の3分の1か半額程度の内祝いを贈るのが一般的です。ご祝儀は親族ごとに暗黙のルールがあることも多く、親が率先して助言しましょう。

親が海外ウエディングに反対する例

親にとって、子どもの結婚式は一生に一度の大切な日。海外挙式の不安を解消するためにも、お互いの希望や意見をしっかり聞いて、双方が納得できる形を探ることが大切です。

例1.親が一般的な結婚式を希望している

親は親族全員を招待する前提で、「結婚式を挙げるなら地元で」と希望していた。祖父母も足が悪いため、海外挙式では連れていくことが不可能で反対された。

→こうした事例の場合、新郎新婦のみで海外挙式を決行し、「後日国内でお披露目パーティーを開催する」という方法が考えられます。

例2.親が海外に不慣れである

親が海外に行った経験がなく、食事や環境に不安が強い。

→こうした事例の場合、「現地での滞在中はドライバー付きの日本語ガイドを雇う」「日本語の通じるスタッフが駐在し、日本食に対応可能な会場を探す」など、子どもと相談し海外への不安を一つずつ解消していくといいでしょう。

最後に

日本における海外挙式の始まりは、1973年にハワイのホノルルで、日本の衣装店が第一号店を設立したことが始まりといわれています。ご両親が結婚した頃はあまり馴染みがなかったかもしれない海外ウエディングですが、今では結婚式の選択肢の一つとして定着しつつあります。海外挙式は大変なイメージですが、きっと家族でかけがえのないひとときを過ごせることでしょう。

監修/トップウエディング https://top-wedding.jp/

構成・執筆/吉川沙織(京都メディアライン)
https://kyotomedialine.com FB

 

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