取材・文/ふじのあやこ
昭和、平成、令和と時代が移り変わるのと同様に、家族のかたちも大家族から核家族へと変化してきている。本連載では、親との家族関係を経て、自分が家族を持つようになって感じたこと、親について、そして子供について思うことを語ってもらい、今の家族のかたちに迫る。
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「美容医療はファッションへ」という言葉も飛び出すほど、美容整形のCMが毎日のように流れるようになっている。医療機関・クリニックの開業・運営支援を行う株式会社IDEAでは、「若返り美容に関するアンケート調査」を実施(実施日2023年6月22日、有効回答数:全国10代~60代男女3000、インターネット調査)。調査では、男女ともに若返り美容に対するイメージについてポジティブがネガティブを上回る結果となった。若返り美容への興味あり層を年代別に見ると、女性は30代が最も数値が高いものの、年齢が高くなるにつれ若返り美容への興味も高くなっている。
今回お話を伺った美貴さん(仮名・43歳)は20代半ばでシミ取りの美容医療を行なっていた。目の整形には反対した母親だったが、シミ取りに反対はしてこなかった。【~その1~はコチラ】
シミを「子育ての勲章」と言っていた母親だったが
美貴さんの肌の白さは母親からの遺伝で、母親の肌にもシミが目立っていた。母親は1週間のダウンタイム後に綺麗になった美貴さんの肌を見て、「行ってみようかな」と言ったという。
「母親は離婚後に働き出してからは服装や体形を気にするようになっていましたが、美容医療にはどちらかというと反対派でした。お肌のシミについても、母親はよく『あんたたちをノーメークのまま自転車で送り迎えをしていた勲章だ』と顔と手の甲にあるシミのことを言っていた人でしたから。だからそんな言葉が出てくるなんてびっくりしてしまって、よく覚えています」
母親が最初に行なったのは、手の甲のシミ取り。そこから肌の治療を複数回繰り返すようになっていった。
「手の甲は顔と違って肌が薄いことから弱いレーザー治療で複数回通わないといけなかったみたいで、何度も通ううちに病院内の広告が目につくようになったみたいです。肌のたるみや毛穴改善のレーザーを繰り返して行なうようになりました。
私は母のそんな行動を特に気にしていなかったのですが、『どうせダウンタイムで動きにくいのであれば、一気にやりたい』という発言あたりから、タガが外れてしまったのかなと思います」
【帰省する度に顔がメンテナンスされていく。次ページに続きます】