取材・文/ふじのあやこ
昭和、平成、令和と時代が移り変わるのと同様に、家族のかたちも大家族から核家族へと変化してきている。本連載では、親との家族関係を経て、自分が家族を持つようになって感じたこと、親について、そして子供について思うことを語ってもらい、今の家族のかたちに迫る。
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文部科学省が令和2年に実施した「家庭教育の総合的推進に関する調査研究 ~家庭教育支援の充実に向けた保護者の意識に関する実態把握調査~」報告書(令和3年2月)によると、子どもとふれ合う時間は、平日で「1~2時間未満」が27.8%と最も高く、次いで「1時間未満」が21.7%、「2~3時間未満」が 21.2%となっている。また、親の労働時間が長くなるにつれ、平日の子どもと触れ合う時間が短くなる傾向にあるとの結果になっている。
今回お話を伺った、亜紀子さん(仮名・44歳)も小さい頃から両親はずっと共働きで触れ合う時間が少なく、「親よりも伯母のほうが私と一緒にいてくれた」と語る。【~その1~はコチラ】
健康診断さえ伯母はずっと受けていなかった
亜紀子さんが結婚したのは28歳のとき。相手は大学時代から付き合っていた同級生で、3年ほどの同棲期間を経ての結婚だったこともあり、両親や姉家族、そして伯母とも結婚前から交流があったという。
「私は一人暮らしの期間がなくて、実家を出てすぐの同棲だったので、そのときに両親との顔合わせや伯母にも挨拶していました。そこから家族ぐるみの付き合いがあったんです。だから、結婚は遅かったくらいだと言われました。
結婚式は身内だけで小さいものをして、新婚旅行は結婚して3年後に行きました」
結婚式が小規模になったこと、そして新婚旅行をすぐに行なわなかったことには理由があった。伯母が末期のがんであることが発覚していたからだ。
「伯母はずっとフリーランスで仕事をしていて、検査などをまったくしていなかったんです。だから、調子が悪いと病院にかかったときにはもう転移していて。原発不明がんといって、転移が多くてどこが最初に発生したがんかもわからない状態でした。
それでも治療を行なったんですが、発覚から1年ほどで、伯母は亡くなりました」
【母親に“今さら”頼れない。次ページに続きます】