貴重な原料で作る『サライ』特注の懐中時計
200年以上の歴史を誇る「江戸べっ甲屋」は、享和2(1802)年に日本橋馬喰町にて創業。以来、江戸べっ甲の伝統を継承し、現在は7代目・石川浩太郎さんが技術と美を追求した独自性のある製品を生み出している。
「べっ甲は、ウミガメの一種であるタイマイの甲羅や爪などを加工したもの。タイマイはワシントン条約で平成5年から輸入が禁止され、今は禁止前に確保した原料で製造しています」と、浩太郎さん。
そんな貴重な原料で作る『サライ』特注の懐中時計は、ケースやベゼル部分、文字盤中央部にべっ甲を組み込んだノスタルジックなデザインが魅力。特にこだわったのはベゼル部分で、縁と角に丸みを持たせ、側面はすとんと落ちる美しい輪郭に仕立てた。ストラップは正絹で、ムーブメントにはクォーツ式を採用している。
「厚みがあるほど、べっ甲の価値は上がります。本品は数ミリしかないタイマイの甲羅を何枚も貼り合わせて厚みを出しています。貼り合わせる際は、斑と呼ばれる黒い模様がまるで一枚の甲羅からできていると錯覚するほど美しく仕上げるのです。接着剤を一切使わず、職人が水と熱と圧力だけで完成させます」(浩太郎さん)
濃淡のある飴色に、独特の斑が混じるべっ甲模様は一点もの。実用性に優れた工芸品である。
【今日の逸品】
べっ甲の懐中時計
『サライ』×江戸べっ甲屋
71,500円(消費税込み)