取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

厚生労働省が発表した「令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)」では、2021年度の婚姻件数は 50万1116組、離婚件数は18万4386組。婚姻件数、離婚件数ともに前年よりも減少しているものの、今もどこかで夫婦が誕生して、夫婦が他人になっている。日本の非婚化がメディアなどで多く取り上げられているが、今回は離婚を経験後に再び家族を求める人たちに、その理由を伺っていく。

「一度目の結婚でできた義父と、二度目の結婚でできた義母は正反対の人。極端すぎますが、今の姑のほうが、最初の結婚のときよりも気持ちはとても楽になりました」と語るのは、朱里さん(仮名・43歳)。一度目の結婚は33歳。結婚生活は義父のセクハラまがいの過干渉により離婚に至ったという。

子どもの人生を尊重してくれる親だった

朱里さんは神奈川県出身で、両親と5歳上に兄のいる4人家族。朱里さんは自身の家族のことを「楽天家の集まり」と語る。

「色々適当なことが多くて。母親はパートで働いていて、共働きだったので忙しかったというのはありますが、学校で用意するもの、例えば雑巾とか新しい用具に名前を書くとか、ちゃんと期日までに用意してもらったことはありませんでした。雑巾を作ったり、ゼッケンへの名前入れなどは小学校2、3年生ぐらいから自分でやっていましたね。

あと、家もキレイな時期が思い出せないくらい物が多くて汚かったし、御飯もレトルトが多かったです。でも、両親にもいいところもあって、私が好きなことを応援してくれましたし、私の意思を尊重してくれました。中学のときクラス替えの数か月だけ友人たちから無視されることがあったんですが、そのときに学校に行きたくないって私が言ったら、『休め。無理して行くことない』って軽い感じで肯定してくれて。

家族全員そんな感じなので、みんな好きなことをやっていてバラバラな感じなんですけど、結構仲はいいです」

兄は現在も独身、朱里さんも30歳を超えても親から結婚を催促されたことはなかったという。

「結婚について聞かれたこともなかったです。親はそうでも親族で集まったら色々言ってくる人っているじゃないですか。そんなときも『この子たちは好きなことをやっているから』と面倒な人たちの発言を止めてくれていました。

うちの両親はお酒が大好きなんですが、いつもはまったく子どものことを褒めてくれないのに、酔っ払ったら別人のように褒めてくれるんです。たまにそれが聞きたくて、家でお酌までして飲ますこともありましたね(苦笑)」

【入籍前から「すぐに子作りをしろ」義父の嫁ハラが始まった。次ページに続きます】

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