取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

今回お話を伺った海斗さん(仮名・45歳)は33歳のときに結婚して、現在は子どもと3人暮らしをしている。妻と義母との強い結びつきに海斗さんは酷く疲弊しているようだ。

「妻は父親との折り合いが悪かったみたいで、その分、母親との結びつきが強い。私と妻の話だったはずなのに、そこには義母がいつも入っていて、夫婦ゲンカさえ、もうままならないようになっています」

父親は子どもよりも母親を溺愛していた

海斗さんは京都府出身で、両親と2歳下に弟のいる4人家族。両親は子どもそっちのけで夫婦の時間を作るほど仲が良かった。

「両親、というか父親の独占欲が強い感じで、母親はそれに悪い気はしていなくて、いつも子どもたちの目の前で夫婦の世界を作っていました。

私と母が言い合いをしていたときに父は迷わずに母を庇い、『俺の嫁に何をえらそうに言っている』と怒ってきました。僕はあなたたちの子どもなんだけどな~と思いつつ、一気に戦意喪失させられた記憶が残っています」

思春期の頃はそんな両親を見るのが嫌だったものの、大人になるにつれてその夫婦関係に憧れを持つようになっていったという。

「ずっと仲がいいんですよ。おかげで巣立っていく息子たちを止めることもせず、今はコロナ禍でできなくなりましたが、海外旅行には事後報告で頻繁に行っていました。

うちの家は父方の祖母がお金持ちで、家のローンなどは祖母の遺産で完済したのですが、まだお金が残ったみたいで、父は早期退職をして、働くよりも母親の側で悠々自適な生活を選びました。

私も両親のようなずっと仲良くいれる夫婦で、老後を楽しく過ごしたいなって憧れるようになっていきましたね」

そんな海斗さんが結婚したのは33歳のとき。29歳から付き合っていた4歳下の女性が30歳手前というタイミングだった。

「付き合って半年ぐらいから同棲をしていたこともあって、その心地よい環境に慣れてしまっていて、来年こそは来年こそはとズルズル。そんな重い腰が上がったのは彼女から結婚したそうな雰囲気が出てきたから。やたらと結婚した友人の話をするようになって、来年30歳だったらそろそろしたいだろうなと思ってプロポーズしました。

同棲から結婚ってそんなに大きく何かが変わるとは思っていなかったんですけど、両家の顔合わせや結婚式をしたことで身が引き締まり、これから妻を、新しい家族を大切に守っていきたいと心から思いました。結婚式は感動して泣いちゃいましたから」

【長期の里帰り出産へ。正直、ホッとした。次ページに続きます】

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