取材・文/ふじのあやこ

写真はイメージです

家族の中には、血縁のない『義(理の)家族』という間柄がある。結婚相手の親族関係を指すことが一般的だが、離婚件数が増える現在では、親の再婚相手や、再婚相手の連れ子など、家族の関係は複雑化している。血のつながりがないからこそ生じる問題、そして新たに生まれるものも存在する。義家族との関係を実際に持つようになった当事者にインタビューして、そのときに感じた率直な思いを語ってもらう。

今回お話を伺った碧さん(仮名・43歳)は38歳のときに2歳上の男性と結婚。すでに生活のルールが決まっている同士だからこそ、お互いに歩み寄って生活をしていたという。しかし、その中で夫の家族とのつき合い方についてだけ、理解できなかったという。

「せっかく家族になったんだから、多少の親戚付き合いは必要だと思うんです。私も夫から求められたら喜んで義両親と付き合いますよ。それなのに夫は……」

結婚の圧力で親と疎遠になっていく友人をしりめに、ずっと自由だった

碧さんは埼玉県出身で、両親と3歳上に兄のいる4人家族。友達みたいな関係の母親に、碧さんにどこまでも優しい父親、そして面倒見の良い兄と、家族仲は昔からかなり良かったという。

「平和な家族という感じです。大きな揉め事も事件もなく、小さい頃は週末には家族で外食、大型連休には家族旅行に出かけていました。両親は過保護でもなく放任でもなく、進路についても相談すると親としての意見はしっかりと伝えてくれるけれど、私の意見もちゃんと尊重してくれるような人たちです。

父親とはずっと仲良しで、母親は中学から高校生になったぐらいまで続いた反抗期のとき以外は仲良しですね。母親とは身長も体重もあまり変わらなくて食や服の趣味が一緒なので、よく一緒に買い物したり服の貸し借りをしたり。大きくなるにつれて友達のような関係になっていきました。今も2日に一度は電話やLINEでやりとりする関係です」

碧さんは38歳で結婚するまで両親から一度も結婚について何かを言われたことがなかった。「そのおかげで実家と疎遠にならなかった」と振り返る。

「私はかなりの晩婚なのに、親からは何も言われなかったんですよ。周囲の友人たちは20代後半から『ちゃんと将来のことを考えろ』とか、『いい人いないのか』とか、勝手にお見合いをセッティングされる子もいました。親からの結婚への圧力を受けた子ってそれがしんどくて実家から遠ざかってしまっていた。もしかしたら両親は私のことを結婚できなさそうと最初から諦めていたのかもしれないけれど(苦笑)、うるさくない親で本当に良かったなって思っています」

【夫は両親からの結婚の圧力を回避するため、私との結婚を選んだ。次ページに続きます】

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