夫は両親からの結婚の圧力を回避するため、私との結婚を選んだ
結婚相手は碧さんが最初に勤めた職場の取引先の男性。仲良くならないままに疎遠になり、再会後に2つ年上だと知ったという。再会のきっかけは元同僚からの飲み会のお誘いだった。
「顔を合わせれば挨拶するぐらいの関係で、顔は覚えているけれどいくつなのかさえ知りませんでした。たまたま誘われた飲み会で再会して、なんとなくまた飲みに行こうとなって、ですかね。
結婚のきっかけは相手の親からちゃんとしなさいと口うるさく言われていたようでそれを回避するため。夫は前の彼女と長い同棲をしていたようなのですが、相手が夜のお店で働いていた女性で、相手は結婚願望がなかったと言っていました。長年付き合っても結婚に至らなかった息子を見ていたからなのか、親のお節介は私のときは相当だったみたいです。
プロポーズなんて大層なものなんてなくて、義両親に紹介する直前に『結婚しようと思っているって言っていい?』と聞かれただけ。思わず、はいって言ってしまって、本当に結婚することになりました」
結婚後はお互いの希望地の中間地点に新居を借りた。そこは碧さんの実家から電車で30分ほどのところ。夫の実家は東北にあり、夫から「(義両親とは)そんなに交流しなくてもいいから」と言われていた。
「結婚するときに、お互いいい年齢なので無理に子どもは作らないこととか、仕事を続けたいこと、お金の管理の仕方などのルールを話し合っていたのですが、夫から義実家とはそんなに交流しないでいいと言われたら、私の両親とはしてほしいとは言えなくて。だから最初のほうは私一人でよく実家に遊びに行っていたんです。結婚してからも独身と同じような親との付き合い方はおかしいという人もいるけど、『お互い無理にまで独身の頃のペースを乱すことはやめよう』というのが夫婦のルールでもありましたから」
実家帰りの後はあからさまに不機嫌な態度を示す夫。そこから「家族になったんだから」の押しつけ合いがスタートする。【~その2~に続きます】
取材・文/ふじのあやこ
情報誌・スポーツ誌の出版社2社を経て、フリーのライター・編集者・ウェブデザイナーとなる。趣味はスポーツ観戦で、野球、アイスホッケー観戦などで全国を行脚している。