皆さんは「iDeCo(イデコ)」についてご存じでしょうか? 最近は新聞、雑誌、テレビなどで取り上げられる機会も増えているので、目に触れたり、耳にしたりする人も少なくないかと思います。
今回は、将来の老後の資金作りにとても効果的な「iDeCo(イデコ)」について、一緒におさらいしていきましょう。
100歳社会を笑顔で過ごすためのライフプラン、ライフブック(R)(https://www.smilelife-project.com/)を提唱する、ファイナンシャルプランナー・藤原未来がわかりやすく解説します。
目次
iDeCoとは?
iDeCoの加入資格とは?
iDeCoに加入できないケースも
まとめ
iDeCoとは?
「iDeCo(イデコ)」とは、“individual-type Defined Contribution pension plan”の頭文字をとって略称にしたもの。2002年に確定拠出年金法にもとづいて制度運用がスタートした、個人型の確定拠出年金のことです。
「iDeCo」の「i」には「私」という意味が込められており、「自分で運用する年金」という趣旨を表しています。「iDeCo」(個人型確定拠出年金)は、個人が自主的に加入する私的年金制度で、公的年金や企業年金に上乗せして老後の収入を充実させる手段の一つとなります。
これまでの公的年金や確定給付企業年金は、国や企業などの責任においてその資金を運用してきましたが、確定拠出年金は個人の自己責任において運用商品を選び運用する年金制度です。
「iDeCo」は、掛金を原則65歳まで積み立てすることができます。また、受け取りは原則60歳以降に可能です。節税しながら資産形成ができ、月額5,000円からはじめられるので、投資経験がないまたは浅い人でも始めやすい制度となっています。
iDeCoの特色
それでは、「iDeCo」の「5つの特色」を紹介しましょう。
特色1:老後のための「自分年金」
「iDeCo」は、個人の老後資金作りを後押しする「自分年金」制度であり、公的年金や企業年金に上乗せする私的年金のひとつです。
特色2:自分で「資産運用」が可能
「iDeCo」は、自分で掛金を拠出し積立投資し、その運用成果に応じて将来の年金額が決まる仕組みです。将来のライフプランに合わせて、自分が選んだ投資商品で資産運用することができます。
特色3:「節税」メリット
「iDeCo」は、国が用意した資産形成プログラムであるため、税金の優遇メリットが充実しているのが最大の特徴。「iDeCo」の掛金は、全額が「所得控除」の対象になります。また、資産運用収益が非課税であるのも魅力的です。
特色4:「少額」からはじめられる
月額5,000円からでもはじめられるので、「まとまったお金を投資するのは不安」という方にもおすすめです。毎月の収支を見直して、リタイア後の生活のために準備をしましょう。また途中で掛金の金額を変更したり、一時的に積み立てをやめたりすることも可能です。
特色5:原則60歳以降に受け取る
あくまでも「年金」なので、引き出しは原則60歳以降となります。年金開始まで積み立て金について流動性を失うことは、「デメリット」として認識しておく必要があります。リタイア前の生活資金がショートした場合にも現金化することはできないので、ライフプランを作った上で掛金の金額を決めましょう。
iDeCoの加入資格とは?
「iDeCo」は、原則として国民年金の被保険者であれば加入できます。加入年齢は原則60歳までとされてきましたが、2022年5月には65歳まで加入できるように加入年齢が引き上げられました。
また、2022年10月には企業型確定拠出年金を採用している企業でも、条件を満たせば「iDeCo」に加入できるようになります。将来的にはさらに、「iDeCo」の加入対象者は拡大される見通しです。
具体的には、次の条件に該当する方になります。
1: 国民年金の第1号被保険者
20歳以上60歳未満の自営業者とその家族、フリーランス、学生など
(国民年金保険料の免除などを受けている方、農業者年金の被保険者の方を除く)
2:厚生年金保険の被保険者(国民年金の第2号被保険者)
以下の企業に勤めている会社員
・ 企業年金制度のない企業
・「iDeCo」に加入することを認めている「企業型確定拠出年金」を採用している企業
・ 確定給付企業年金・厚生年金基金を採用している企業
また、上記に加えて、国家公務員・地方公務員の共済組合員及び私学共済の加入者(私学共済の加入者のうち、「iDeCo」に加入することを認めていない、企業型確定拠出年金の加入者は除く)
3:国民年金の第3号被保険者
20歳以上60歳未満の専業主婦(夫)など
4:国民年金の任意加入被保険者
ただし、60歳以上65歳未満で、国民年金の保険料の納付済期間が480か月に達していない人。もしくは、20歳以上65歳未満の日本国籍を有する海外居住者で、国民年金の保険料納付済期間が480か月に達していない人が対象となります。
iDeCoに加入できないケースも
残念ながら、以下の条件に該当する方は「iDeCo」に加入することが原則できません。自分自身が「iDeCo」の加入資格があるかどうかを、事前にチェックする際の参考にしてください。
1. 国民年金保険料の免除又は猶予を受けている人
2. 既に公的年金を受給されている人(繰り上げ請求した場合を含む)
3. 既に「iDeCo」の老齢給付金を受給されている人
4. 農業者年金に加入している人
5. 「企業型確定拠出年金」の加入者の方で、規約において「iDeCo」への加入が認められていない場合(現行ルール)
まとめ
さて、今回は「iDeCo」についてその概要をおさらいしてきましたが、いかがでしたか? 「iDeCo」は税金の優遇を受けながら、資産運用を取り入れて老後の生活資金を確保することができる、とても便利な「年金制度」です。制度自体の仕組みや、自分自身の加入資格を確認したうえで、ライフプランに合わせて最大限利用することをお勧めします。
生命保険や金融商品などを販売しない中立的なファイナンシャルプランナーは、相談者の立場に立って最適なリタイアメントプラン作りをお手伝いします。
●取材協力/藤原未来(ふじわらみき)
株式会社SMILELIFE project 代表取締役、1級ファイナンシャルプランニング技能士。2017年9月株式会社SMILELIFE projectを設立。100歳社会の到来を前提とした個人向けトータルライフプランニングサービス「LIFEBOOK®サービス」をスタート。米国モデルをベースとした最先端のFPノウハウとアドバイザートレーニングプログラムを用い、金融・保険商品を販売しないコンサルティングフィーに特化した独立フランチャイズアドバイザー制度を確立することにより、「日本人の新しい働き方、新しい生き方」をプロデュースすることを事業の目的とする。
問い合わせ先:03-6403-5390(株式会社SMILELIFE project)
株式会社SMILELIFE project(https://www.smilelife-project.com)
●編集/京都メディアライン(HP:https://kyotomedialine.com FB)