スマートフォンを利用する人が増え、外出先でもインターネットに繋いで検索やSNS、動画視聴などをするのが当たり前となりました。その際、モバイル通信で行うとパケット通信料が必要です。ですが動画視聴のような重たいデータのやり取りは利用額が大きくなるため、モバイル通信を使わず帰宅してからWi-Fi(ワイファイ)に切り替えて楽しむ人も……。
Wi-Fiが使える場所は、家や会社だけとは限りません。駅やコンビニなど、街中で使えるフリーWi-Fiも浸透しています。誰でも無料で接続できるフリーWi-Fiということで、あたなも使っていませんか?
ですがフリーWi-Fiを気軽に接続するのは少し待ってください。セキュリティは大丈夫? 今回はフリーWi-Fiを安全に使うために、危険性や接続方法についてご紹介します。
目次
フリーWi-Fiとは?
基本的なフリーWi-Fiの接続手順
フリーWi-Fiを使用するのは危険?
フリーWi-Fiを使うときの注意点
フリーWi-Fiにつながらないときは?
最後に
フリーWi-Fiとは?
危険性や接続方法をお伝えする前に、フリーWi-Fiという言葉の意味について確認しておきましょう。フリーWi-Fiの「フリー」は、無料という意味です。ですから「フリーWi-Fiとは、無料で不特定多数の人たちが、自由に使えるよう提供されているWi-Fiスポット」のことで、「公衆無線LAN」「無料Wi-Fiスポット」などとも呼ばれています。
そもそもWi-Fiってなに?
Wi-Fiとは、ネットワーク接続に対応したパソコンやスマートフォン、タブレットなどの機器を、無線(ワイヤレス)でLANに接続する技術(規格)の名称です。
自宅やオフィスでWi-Fiを利用するには、Wi-Fiルーター(電波の送受信を行い、LANとの仲介を行うための機器)の設置が必要で、通信事業者に料金を支払って設置しないと使えません。Wi-Fiルーターを設置することで電波を無線で送受信し、電波の届く範囲であれば、パソコンやスマートフォンなど、Wi-Fiに対応した機器でインターネット接続ができます。
フリーWi-Fiは、自治体やお店などの事業者が、誰でも気軽にインターネットを使えるよう各自でWi-Fiルーターを設置し、観光地の活性化や、お店に足を運んでもらうといった目的でサービス提供しています。
フリーWi-Fiの接続方法
フリーWi-Fiの接続方法は、「事前にパスワードが必要な接続」から「規約に同意して接続」、逆に「自動接続」など様々ありますが、基本的なフリーWi-Fiの接続手順をご紹介いたします。
基本的なフリーWi-Fiの接続手順
- 利用したいフリーWi-Fiのアクセスポイント内で「設定」画面を開き、Wi-FiをON
- 「ネットワーク一覧」から、接続したいネットワークを選択
- フリーWi-Fiサービスの「ログイン画面」が表示されたら、利用規約や利用できる時間、回数などの条件を確認して、メールアドレスやSNSで登録
- インターネット接続開始
スマートフォンの機種によって表示画面が異なり、また各フリーWi-Fiで接続方法が違うので、詳しくは公式情報をご確認ください。
フリーWi-Fiを使用するのは危険?
無料で誰でも使えるフリーWi-Fiですが、「盗聴」「のぞき見」「悪意のあるネットワークに接続」などの危険が潜んでいます。フリーWi-Fiに接続するうえで特に危険とされるのが「パスワード無しのフリーWi-Fi」です。飲食店やホテルなど、パスワードが用意されているフリーWi-Fiも危険がないとは言い切れませんが、パスワード無しの場合は利用についてよく考えましょう。
パスワード無しのフリーWi-Fiは危険なことも
パスワード無しのフリーWi-Fiは、メールアドレスやSNSの登録も不要です。簡単で誰でも利用出来るよう、使う時のハードルを下げてくれています。ただし問題が……。
パスワード無しのフリーWi-Fiは、通信内容が暗号化されない!
もしネットショッピングをフリーWi-Fiの接続で行ったらどうなるでしょう? 購入画面で名前や住所、クレジットカード情報など登録した個人情報が、そのまま晒されることになります。誰でも自由に使えるフリーWi-Fiだからこそ、「のぞき見・盗聴」の可能性があります。のぞき見されたら不正利用され、カード会社から身に覚えのない高額請求をされる可能性も。
SNSの場合は?
InstagramやTwitterなどのSNSを利用する際は、ログイン情報が必要です。ID・パスワードが暗号化されることなく通信したら、アカウントを乗っ取られる可能性があります。これまでの自分の投稿はもちろん、お友達の投稿内容も勝手に見られるリスクが発生するでしょう。さらにクレジットカードやPayPalなどのアカウント登録をしている場合、ネットショッピングと同様に不正利用され高額請求されることも……。
アカウントを乗っ取られたことに気づくのが遅れた場合には、自分だけでなく友人をフィッシングサイトやスパムメールなどの被害に巻き込む恐れがあります。
フリーWi-Fiを使うときの注意点
フリーWi-Fiはセキュリティに問題があるため、接続中は個人情報を扱う操作を行わないようにしましょう。先にも述べたとおり、「クレジットカードを使うネットショッピング」や「インターネットによる申し込み」「ID・パスワード入力が必要なSNSログイン」などの行為は控えるべきです。
また、「https」から始まるサイトだけ表示しましょう。URLに鍵マークのついたサイトのことです。「https」は通信を暗号化していますが、「s」の付かない「http」からはじまるサイトは暗号化していないため、偽サイトと気づかず利用したら、個人情報を盗まれる危険性があります。
他にもWi-Fiの「自動接続」の設定を「オフ」にしておきましょう。一度接続したことのあるWi-Fiは自動で接続することができ便利ですが、フリーWi-Fiに接続していることに気づかず、SNSやインターネットショッピングなどをすると個人情報を抜き取られる恐れがあります。自分の個人情報だけでなく、もしパソコンでお仕事をしていたら、会社の機密情報も漏れる可能性があります。
つまり、必要な時だけフリーWi-Fiを使い、むやみにフリーWi-Fiを登録しないようにすることが大切です。
フリーWi-Fiにつながらないときは?
フリーWi-Fiにつながらない場合、自分の端末がWi-Fiにつながっているかどうか確かめましょう。「設定」でアイコンがクルクル回るままだったり、「接続中」の文字が消えなかったり、さらに接続したいネットワーク名自体が一覧に表示されない場合があります。なぜ、つながらないのでしょうか?
原因のひとつとして、Wi-Fiのアクセスポイントから遠く離れていることが考えられます。離れていると、どうしても電波が弱くなり、Wi-Fiはつながりづらくなります。また、他のWi-Fiや電子機器によって電波が混線し、通信状態が悪くなる場合もあります。通信状態が悪い場合は、移動してみてください。見晴らしのいい場所であれば、つながる可能性があります。
また、混雑している場所でも、つながりづらくなります。駅や飲食店など人が賑わう場所では、人が通信の障害となるためです。この場合も、人の少ない場所へ移動してみてください。つながる可能性があります。ただし、障害物がなくならなければ、スムーズに通信できないため、Wi-Fi接続できても通信が遅くなるでしょう。
また、パスワードを入力する必要性があるのに、わからない場合もつながりません。Wi-Fi一覧でネットワーク接続後、正しいパスワードを入力しているでしょうか? パスワードは、お店に張り出している場合もありますが、施設の人に直接聞かなければ知ることが出来ない場合もあります。事前に申し込みが必要な場合もあるので、きちんと確認しましょう。
通信環境やパスワード設定以前に、スマートフォンやパソコンが、Wi-Fiの規格に対応していないことが考えられます。この場合はどうしようもないですね……。
最後に
フリーWi-Fiは、利用してもらうためのステッカーや広告が様々な場所で貼られていますが、利用上の注意点については、ほとんど目にすることがありません。もしフリーWi-Fiスポットを使いたくなったら、このリスクを思い出してください。危険を理解したうえで、快適なインターネットライフを楽しみましょう。
●執筆/西村結花(にしむら・ゆか)
UIデザイナー歴17年、CMSテンプレート開発・管理画面の設計等を手掛ける。近年ではデザイナー視点でのLPOやSEOライティングを評価され、BtoB企業のグロースハックチームの一員として活躍する。
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●構成/京都メディアライン・https://kyotomedialine.com