とにかくカッとなり声を荒立ててしまう、イライラした後に落込む、急に顔が熱くなる、汗が止まらない、どうしてこんなに頭が痛いの? など、30~40代の「プレ更年期」や、40~50代の「更年期」の女性には、自分ではどうにもならない不調が現れるもの。
実は、その不調には漢方がよく効くことをご存知でしたか?
私の不調にも漢方が効くのか知りたい! どうすれば根本解消できるの? そんな女性たちの疑問を、漢方の専門家に解説してもらいます。
第58回のテーマは、「更年期太り」です。医師の木村眞樹子さんに教えてもらいました。
1.食べすぎていないのに体重が2年で10キロ以上増加!
千佳さん 47歳女性 パートの方からご質問を頂きました。
「40代後半に差し掛かり、約2年間で体重が10キロ以上増加しました。食べすぎている自覚はありません。もちろん、甘いものや炭水化物など太りやすいものも食べてはいますが、ごく普通のレベルだと思います。更年期太りには大豆製品を食べるといいと聞いたのでとり入れていますが、体重の増加が止まりません。
同窓会で数年ぶりに再会した友人には『どうしたの? 太りすぎて面影ないね? 』とストレートに激太りを指摘され、かなり落ち込んでいます」
そこまで食べている実感はないのに太ってしまうという千佳さん。周囲の人にまで指摘されると余計に気になってしまいますよね。そこで、今回は更年期太りの原因と対策についてご紹介します。
2.更年期太りの原因は女性ホルモンと基礎代謝の低下
更年期太りの原因は、更年期の女性ホルモンの分泌量低下と、加齢による基礎代謝の低下です。
40~50代になり更年期を迎えると、女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減少します。エストロゲンは本来脂肪の燃焼を促進するのですが、減少によりその働きも衰え、皮下脂肪より内臓脂肪がつきやすくなり、いわゆる「りんご体型」というおなかがぽっこり出た体型になります。
内臓脂肪型の肥満は万病のもとで、糖尿病や高血圧を引き起こすなど様々な病気の原因にもなるので注意が必要です。また、抗肥満ホルモンと呼ばれ、摂食抑制をもたらしてくれるレプチンというホルモンもエストロゲンの減少によって働きが鈍くなってしまい、太る要因になってしまいます。
基礎代謝というものは、生きているだけでも消費されるエネルギーのことです。加齢により筋肉量が減少するのと比例して、使われるエネルギーも少なく、燃焼しづらくなってしまいます。
続いては、更年期太りの原因になる女性ホルモンと基礎代謝の低下をカバーし、体型をコントロールする方法を解説していきます。
3.更年期太りを解消する3つの方法
更年期の不調の治療法のひとつに、ホルモン補充療法があります。これは、不足しているエストロゲンを薬で補い、ホルモンバランスの乱れを和らげていく方法です。効果もありますが、同時に副作用などのリスクもありますので、通院して治療する必要があります。
ホルモン療法は怖いという方や、通院する時間がないという方は、運動や食事を工夫したり、漢方の考え方によるアプローチを行ったりするのがおすすめです。
3-1.有酸素・無酸素運動を行う
エネルギーを消費する有酸素運動は生活習慣病の予防になることがわかっていますし、無酸素運動は筋肉をつけて基礎代謝をアップさせるため、両方とも大事です。
有酸素運動で代表的なものはジョギングやウォーキング。早朝だと人通りも少ないうえ、景色も変わるので、ジムのランニングマシンよりも飽きずに行えます。少し息があがるくらいの強度で行うのが効果的です。
無酸素運動でおすすめなものはスクワットです。一般的には無酸素運動というと激しい運動で、バーベルを持ち上げるような筋肉トレーニングを思い浮かべがちですが、スクワットは40~50代でも簡単に行えます。
有酸素運動は1回30分、週3回くらいがおすすめです。いきなり運動を始めるのはハードルが高いかもしれません。まずは、5分や10分など少しずつ、できる回数でいいので習慣的に行いましょう。足腰が悪い方や、痛みを感じる場合は無理に行わないでください。
有酸素・無酸素運動を適切に使いわけ、バランスよくトレーニングをすることが大事です。
3-2.食べる順番を意識する
食べる順番は糖質の吸収スピードに影響します。食事をとる際には、野菜などの食物繊維を多く含む食品から食べ、次に肉や魚、たまごなどのタンパク質、最後にお米やパンなどの炭水化物を摂るようにするといいでしょう。
ジュースなどの糖質を多く含む飲料は、血糖値も上がりやすくカロリー過多に直結します。普段の飲料は水やお茶などを選ぶようにしましょう。
厳密に守りすぎると食事そのものが楽しくなくなってしまい、ストレスに感じてしまうので、なんとなく意識するだけでも十分です。食事量を減らす部分にばかり着目しがちですが、食べる順番を変えるだけでも太りやすさに差が出てきます。
食事の最初に炭水化物を摂らないことで、血糖値の上昇が緩やかになり、からだに脂肪をため込みにくくなります。
3-3.漢方で更年期太りの体質改善をめざす
「更年期太りが気になる」
「運動など面倒なことはしたくない」
「気を付けていても痩せない」
そんな更年期太りでお悩みの方には、医薬品として効果が認証されている漢方薬がおすすめです。
漢方薬は、科学的に合成している西洋薬とは違い、植物や鉱物などの「生薬」で構成されています。また、西洋薬よりも副作用が少ないともいわれています。漢方薬は苦しみから一時的に逃れるための対症療法ではなく、体質の改善という根本的な解決をめざしています。
習慣的な食事制限や運動などを行うのが面倒、忙しくて時間を割く暇がないという場合にも漢方薬は最適です。自分のからだに合った漢方薬を飲むだけなので、途中で飽きることなく続けられます。
ただし、より効果を得るためには適度な運動やバランスの取れた食事を摂ることも大事です。
<更年期太りに悩む女性におすすめの漢方薬>
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん):体力がある方向けです。皮下脂肪が多めで、便秘症状に悩まされている場合や、むくみの症状などに用いられます。
防已黄耆湯(ぼういおうぎとう):体力が中等度以下で、汗をかきやすい方、肥満症やむくみ、水太りなどの方に使われる漢方薬です。
漢方薬はきちんと知識のあるプロに任せることが重要です。思わぬ副作用に見舞われることのないように、医師や薬剤師などその道の専門家に適切な漢方薬を選んでもらいましょう。
体質は人それぞれ異なります。「自分のからだに最適な漢方薬を手軽に教えてもらいたい」という方には、スマホで気軽に相談できる「オンラインAI漢方」もおすすめです。
「あんしん漢方」が提供している、AI(人工知能)を活用した「オンライン個別相談」では、あなたに最適な漢方をオンライン上で提示してくれます。価格面でもかなりお得なので、「漢方薬は出費が気になる」という方も安心できるサービスです。
4.更年期太りを解消して自分らしい体型をキープする!
更年期太りの原因である女性ホルモンや基礎代謝の低下には、今回ご紹介したセルフケアがおすすめです。また、漢方薬も大きな味方となってくれます。更年期太りは健康を脅かすリスクにもなるので、できるだけ早めに対処することが肝心です。
そして、漢方薬を選ぶ際は最適なものを医師や薬剤師に選んでもらうことも大事です。自分に合った漢方薬を見つけて、健康的な体型を維持しましょう!
<この記事を書いた人>
医師 木村 眞樹子
医学部を卒業後、循環器内科、内科、睡眠科として臨床に従事。妊娠、出産を経て、産業医としても活動するなかで、病気にならない身体をつくること、予防医学、未病に関心がうまれ、東洋医学の勉強を始める。臨床の場でも東洋医学を取り入れることで、治療の幅が広がることを感じ、西洋薬のメリットを活かしつつ漢方の処方も行う。また、医療機関で患者の病気と向き合うだけでなく、医療に関わる人たちに情報を伝えることの重要性を感じ、webメディアで発信も行なっている。
「お手頃価格で不調を改善したい」「副作用が心配」というお悩みをお持ちの方のために、医薬品の漢方を、スマホひとつでご自宅にお届けするサービスです。AI(人工知能)を活用し、漢方のプロが最適な漢方を選別。オンラインでいつでも「個別相談」可能。しかも「お手頃価格で」ご提供。相談は無料。
●あんしん漢方(オンラインAI漢方)