文/永松茂久
今回は、70万部突破のベストセラー「人は話し方が9割」の著者、永松茂久が実践している、究極の話し方のスキルを紹介します。
「相手の立場に立つ」も練習次第で身につく
「相手の気持ちを考えて話をしよう」
よく言われる言葉です。この本でも何度も伝えてきました。
相手の立場を考える話し方ができるかどうかで、あなたの人間性が決まります。
とはいっても、なかなか相手の立場に立って話すのは難しいことです。そこで私が密かにやっているある練習法をお伝えしましょう。
テレビで謝罪会見が放映されている時、あるいは誰かが重大なミスを犯して大変な時、自分にこんな質問をするのです。
「もし自分がこの人の立場だったらどうするだろう? もしこの人が目の前にいたらどんな声をかけるだろう?」
この練習を繰り返すと、自然に物事を自分軸からだけでなく、相手軸から見ることができるようになります。
私たちは普段から、どうしても自分軸で動いてしまいがちです。
しかし、この意識を少し抑え気味にして、相手軸で話をするようにすると、あなたのファンはどんどん増えていきます。
そうすることで、あなたの視野、話し方の世界はどんどん広がっていきます。
話し方の究極のスキル「幸せでありますように」
また、今後、あなたが誰かと何かを話す時は、「(相手の方が)幸せでありますように」と祈りながら話すようにしてみてください。
そうすることで、不思議なことですが話の内容は関係なく、あなたの好意は必ず相手に伝わります。
そして、愚痴や不平不満などのマイナストークが自然となくなっていきます。
人には誰しも、話す相手の心を感じ取るセンサーのようなものがあります。
テクニックだけで人間関係がうまくいくほど、人間というものは簡単ではありません。
不思議なことですが、うまいとか下手とかは関係なく、話し手の心というのは必ず相手に伝わります。そして、この違いは「フォーユー」なのか「フォーミー」なのか、で変わってくるのです。
相手のことを思って話していくと、必ず言葉がポンポン出てくるようになります。
そしていつの間にか悩んでいた相手が元気になり、あなたのことを必要とするようになります。
するとあなたの周りにたくさんの人が集まるようになり、いつの間にかあなたは充電器のような存在になります。
最初は、うまくいかないこともあるでしょう。
しかし相手のことだけ思って話しているうちに、相手が本当に大事にしていることだけを感じ取り、言葉に落としていけるようになります。
「(相手が)幸せでありますように」
この思いに勝る話し方のスキルは存在しません。
ぜひ使ってみてください。
永松茂久(ながまつ・しげひさ)/株式会社人財育成JAPAN 代表取締役。大分県中津市生まれ。2001年、わずか3坪のたこ焼きの行商から商売を始め、2003年に開店したダイニング陽なた家は、口コミだけで県外から毎年1万人を集める大繁盛店になる。自身の経験をもとに体系化した「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」というコンセプトのユニークな人材育成法には定評があり、全国で多くの講演、セミナーを実施。「人の在り方」を伝えるニューリーダーとして、多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演の累計動員数は延べ45万人にのぼる。2016年より、拠点を東京麻布に移し、現在は執筆だけではなく、次世代育成スクールである永松塾、出版コンサルティング、イベント主催、映像編集、ブランディングプロデュースなど数々の事業を展開する実業家である。著作業では2020年、書籍の年間累計発行部数で65万部という記録を達成し、『人は話し方が9割』の単冊売り上げで2020年ビジネス書年間ランキング1位を獲得(日販調べ)。2021年には、同じく『人は話し方が9割』が「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」にて、「特別賞/コロナ禍を支えたビジネス書」を受賞。著書に『喜ばれる人になりなさい 母が残してくれた、たった1つの大切なこと』(すばる舎)、『在り方 自分の軸を持って生きるということ』(サンマーク出版)、『30代を無駄に生きるな』『20代を無難に生きるな』『影響力』『言葉は現実化する』『心の壁の壊し方』『男の条件』『人生に迷ったら知覧に行け』(きずな出版)、『感動の条件』(KKロングセラーズ)など多数あり、累計発行部数は200万部を突破している。