新型コロナウイルスの影響で開催が1年延期となった東京五輪・パラリンピックも、いよいよ開催まであと2か月と迫ってきました。しかし、新型コロナウイルス感染の収束は未だ見えません。こうした背景を受け、国民の間でも、アスリートの間でも、東京五輪・パラリンピックの開催の可否について様々な議論が巻き起こっています。
そこでPIAZZA株式会社(https://www.lp.piazza-life.com)が、企画・開発・運営をする同社の地域SNS「ピアッザ」内にて、「東京五輪・パラリンピックに関する意識調査(回答数1,504名)」を実施し、結果を公開しました。
東京五輪・パラリンピックの開催や参加意向について、詳しく見ていきましょう。
■「東京五輪・パラリンピック開催は中止してほしい」という意見がトップ
「2021年夏の東京五輪・パラリンピックの開催について、どう思うか?」と質問したところ、「中止してほしい」という意見がトップで、全国では26%に上りました。東京都在住者に絞ると28%、それ以外では25%となり、会場が多く集中する東京都在住者の方が中止を希望する傾向がやや強いという結果になりました。また、東京都在住者以外だと、無観客であれば開催にも比較的寛容であるという傾向が見られました。
予定通り、観客数を制限、無観客のいずれかで開催してほしいと回答したグループに聞いたその理由および、開催した場合に懸念されることについて一部をご紹介します。
<開催してほしい理由>
・現時点がピークの選手達がいるので、公式記録を残せる大会を開催して欲しい。(40代・男性)
・感染は怖いが、生きている間にもう日本開催はないだろうから。(30代・男性)
・経済損失を考えると無観客で開催してもらいたい。(30代・男性)
・観戦チケットを所有しているため、子供に見せてあげたいから。(20代・女性)
・オリンピックが今の暗い世の中を明るくしてくれると思うので。(40代・女性)
<開催した場合に懸念されること>
・コロナ感染者の増加、他国からの入国による変異株の蔓延。(20代・女性)
・コロナの収束を待たずに開催して、また感染拡大しないか。(40代・男性)
・湾岸地域は会場が多いので、地域的な風評被害にならないことを祈ります。(40代・女性)
・競技場では対策されるが、その後に食事の場で感染が広がる可能性が高いと思う。(40代・男性)
・参加選手や観戦客に感染者が出た場合のスキームづくり。(40代・女性)
・感染症の拡大と、感染症に神経質な人と対策が不十分な人がトラブルを起こすこと。(40代・女性)
・参加国が少ないと国際大会の意味が薄れてしまう。(30代・女性)
再延期もしくは中止してほしいと回答したグループに聞いたその理由および、再延期もしくは中止した場合に懸念されることについて一部をご紹介します。
<再延期もしくは中止してほしい理由>
・せっかくコロナ対策をしてきたのに水の泡になりそうだから。(30代・女性)
・コロナが蔓延する中、各国から集うアスリートに感染が広まっては大変だから。(30代・男性)
・ワクチンが行き渡ってからの方が、選手も観客も安心して臨める。(50代・男性)
・通勤時のラッシュなど、交通機関が混雑して大変な事になるから。(40代・女性)
・感染症対策を万全にして行う準備ができているとは思えない。(30代・女性)
<再延期もしくは中止した場合に懸念されること>
・莫大な違約金もしくは賠償金の支払い。(20代・未回答)
・オリンピックに費やした費用の回収や経済効果。(30代・女性)
・再延期の場合、今より状況が好転しているとは限らない。(60歳以上・女性)
・いままでにかかった費用。目指してきた選手の気持ち。(40代・女性)
・オリンピックの選手が年齢などで出場できなくなること。(60歳以上・女性)
■東京五輪・パラリンピックのチケット所持率は全体で14%、東京都在住者では20%
「東京五輪・パラリンピックのチケットを持っていますか?」という問いについて、現時点で「持っている」と回答した人は全体の14%にとどまりました。東京都在住者に限れば所持率は20%と高くなり、逆に東京都在住者以外では8%であることがわかりました。
「持っている」と回答したうち、「今夏に開催された場合に予定通り会場で観戦したいか?」と聞いたところ、「ぜひ会場で観戦したい」が最多という回答になりましたが、2番目に多い回答は東京都在住者では23%が「チケットがもったいないので会場で観戦したい」、東京都在住者以外ではこちらも23%が「方法があるなら払い戻し・譲渡したい」となりました。
また、払い戻しも含め現時点でチケットを持っていないと回答したグループに対し、「今後チケットが追加発売された場合に購入して会場で観戦したいか?」と聞いたところ、「会場での観戦は諦めてテレビ等で観戦したい」という意見がトップとなりました。東京都在住者では46%、それ以外では58%となり、傾向に大きな差が見られました。
■会場で観戦する場合に気になる点は?
「東京五輪・パラリンピックを会場で観戦する場合、気になることは?」と聞いたところ、「会場の新型コロナ感染対策」が最も多く、東京都在住者では65%、それ以外では54%となりました。「宿泊先の感染対策」という回答には地域差が見られ、東京都在住者以外で高くなる結果となりました。
■会場で観戦するかを決める要因は?
「最終的に会場で観戦するかどうかを決定する際の要因は?」と聞いたところ、東京都在住者による回答のトップは「日本国内の新型コロナ感染収束」で47%、次いで「世界の感染収束」が30%、「会場周辺地域の収束」が24%となりました。東京都在住者以外では、「会場で観戦するつもりはない」という回答が51%でトップとなり、次いで「日本国内の感染収束」が38%、「世界の感染収束」が27%となりました。
■東京五輪・パラリンピックのボランティア登録、登録していたが辞退したのは全体の1%
「東京五輪・パラリンピックのボランティアに登録しているか?」と聞いたところ、東京都在住者の4%が「登録している」ということがわかりました。「登録していない」のは東京都在住者では94%、それ以外では97%、また全体の1%は登録していたが辞退したという結果になりました。
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五輪開幕は7月23日に迫りますが、開催については、感染症の専門家からも不安視する声が相次いでいます。また、米紙『ワシントン・ポスト』は、日本政府に中止の決断を求めるコラムを掲載しました。一方で、出場するアスリートたちは絶え間ない努力を続けています。開催をするか否かの決断には、賢明な判断が求められるところです。
■調査概要
調査方法:地域SNS「ピアッザ」内にて実施
調査時期:2021年4月12日〜4月13日
調査方法:インターネット調査法
有効回答数:1,504