高知市や高知県東部地域では、端午の節句に鯉のぼりとともに大きな手描き染めの旗が飾られる。大漁旗を基にしたフラフと呼ばれるこの旗は、男児の健やかな成長を願って江戸中期から作られるようになった。金太郎や桃太郎、勇ましい騎馬武者や龍、虎などの色鮮やかな絵が、大きな木綿布に描かれている。男の子が生まれると親や親戚たちは家紋や男児の名前を入れたフラフを注文し、子どもが7歳になるまで毎年掲げて宴を開き、無病息災を祈願する。主な産地は県中東部にある香美市土佐山田町で、最盛期には10数軒の紺屋が存在していたという。
ここで紹介するフラフは、香美市土佐山田町で創業119年の染物屋「三谷染工場」の商品。創業以来の図柄と色を受け継ぐ同社は、精緻な筆致でフラフを制作している。今回は同社3代目・三谷章さん(72歳)に、多彩な図柄から人気の2種類を選んでもらった。「金太郎鯉だき」は身体堅固や立身出世を、「八幡太郎義家出陣」は、文武両道でたくましく育ってほしいという願いが込められている。フラフは通常、幅5m以上にもなるが、今回は室内でも手軽に飾れる横幅160cmほどのミニフラフと、壁掛けできるタペストリーをお届けする。
【今日の逸品】
手描き染めミニフラフ
三谷染工場
118,800円(消費税込み)