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東京から車で約1時間30分、今年2月の伊豆縦貫道開通により、さらに近くなった西伊豆の三津浜。駿河湾の奥の内浦湾にあり、風の強い日でも海が荒れることはない。

明治44年(1911)創業の『松濤館』は、この浜にせりだすように佇たたずむ。ラウンジ「汐彩」の大きな窓には青い海、緑豊かな淡島、雄大な富士の景色が広がり、画家の梅原龍三郎も定宿にしていた。館内では梅原が描いた「三津浜の富士」を鑑賞できる。

午後2時、宿に到着。次々と訪れる旅人の中には、移動の疲れが見える人もいる。だが、「汐彩」からの雄大な景色を目にした瞬間、笑顔になり、ソファで一息つくとリラックスした雰囲気に。

松濤館の客室は、露天風呂付き和洋室「花」「海」、露天風呂付き和室の「風」「見」、両面の窓に海が広がる角部屋の「月」、一般和室の「色」「路」などのタイプがある。どの部屋も数寄屋造りの落ち着きと、清潔感に満ちている。

本日、泊まるのは露天風呂付き和室「見」。露天風呂から夜明け

の空の移り変わりを存分に楽しむ。

最上階の展望大浴場の露天風呂で、潮風を感じながらの湯も格別。ほかに予約制の貸切風呂(45分2160円)や岩盤浴(60分1620円)もある。貸切露天風呂は、小さな子供連れの3世代家族に人気。岩盤浴は専用の室内着、時計などの無料貸し出しが充実。

01_松濤館
檜の展望露天風呂「富士の湯」。昼は海や富士山、夜は漁火や満天の星を望む。露天はほかに岩風呂のある「愛鷹の湯」もある。

02_松濤館
ラウンジ「汐彩」からの眺め。駿河湾と淡島越しの富士山を、ほとんどの客室から望める。武者小路実篤、志賀直哉らも愛した三津浜の風景。

08_松濤館
客室「見」。チェックインは部屋で。総料理長手作りの甘味のおもてなし。この日は、ぷるっとした食感が美味なコーヒーゼリー。

03_松濤館
客室「見」の露天風呂からの眺め。海を眺めながら温泉に。ゆったりと浸かるのにちょうどよい温度で、長湯が楽しめる。

3世代での利用もおすすめ

夕食は和風創作料理。総料理長・今吉良一さんが、伊豆の新鮮な海の幸、山の幸を中心に、全国各地の美味なる旬の食材を選りすぐり、心を込めて調理する。季節感を大切にした繊細な盛りつけの料理が続く。また、「あすぱら和とんもち豚巻」など、豚肉の下味としてスペアリブ系のソースにシナモンを加え、洋の味わいを追求した料理も。

翌朝のラウンジで、前日に知り合ったご夫婦と会話が弾んだ。

「景色を見ながら、美味しい食事をいただき、ゆったりと温泉に入ると、“明日からまたがんばろう”と元気がわいてきます。気分が沈みがちなときにこそ、この宿を訪ねるのです」

女将の明るさ、心配り、ほどよい距離感も心地よいという。

盛夏を迎えると、目の前の浜が海水浴場になる。ふたりでも、3世代でも皆が楽しめ、元気をもらえる宿である。

04_松濤館
夕食には年間を通して鍋が登場。この日は、新鮮な鰺の叩きを鍋に。たっぷりの葱や青菜とともに、仲居さんが絶妙な間合いで作る。

05_松濤館
膳菜。手前は新豌豆豆腐、蒸し雲丹、金針菜(百合の花のつぼみ)。奥は鯛粽ずし、帆立黄身焼き、カマンベール洋風揚げなど。

06_松濤館
露天風呂付き「見」の「みやび膳」から鮑の酒蒸し。旬の食材や季節感を大切にする料理は、月ごとに変わる。

07_松濤館
和の総料理長が作る洋のスイーツ、日向夏なつゼリー。日向夏は伊豆でニューサマーオレンジと親しまれる。三津浜は蜜み柑かんの木も多い。

09_松濤館

松濤館
TEL:055・943・2311

●静岡県沼津市内浦三津
チェックイン14時/チェックアウト11時
1泊2食付きひとり2万1000円~。
http://www.shoutoukan.com

取材・文/内田清子 撮影/多賀谷敏雄(松濤館)

 

※予約時に必ず「旅サライを見た」とお伝えください。
※宿泊料金は基本的に通常タイプの部屋を1室2名で利用した場合の、1名様分の料金です。
※特に記載がない限り、消費税・サービス料込みです。
※別途入湯税がかかる場合があります。
※掲載されている料理写真は一例です。

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