日光国立公園内を流れる箒川の渓流沿いに湧出し、開湯1200年以上の歴史をもつ塩原温泉。泉質や効能、湯温の異なる源泉が11か所に点在しており、古くから「塩原十一湯」と呼ばれて親しまれている。そのひとつ「畑下源泉」と自噴泉の「湧花庵源泉」、ふたつの天然温泉を掛け流す湯宿『塩原 湧花庵』が昨年11月にリニューアルオープンした。
32ある客室は7.5畳から15畳の広さがあり、特別室を含め7タイプの和室を用意。すべて異なる作りとなっている。国内外の高級ホテルで多数使用されているアメリカの老舗寝具メーカー、シーリー社製のローベッドを置く部屋もあり、心地いい眠りへと導いてくれる。そのほか、加湿器や大型フラットテレビ、DVDプレーヤーなどの設備も充実している。
7階の特別室。かつての茶室を利用したベッドルームとソファが置かれた洋室、さらに10畳の和室からなる贅沢な空間。
6階にある12.5畳の客室。寝起きが楽なセミダブルのロータイプベッドを備え、広縁がモダンなデザイン。
箒川の眺望を楽しめる7階の大展望風呂。写真は男湯「もみじの湯」。女湯は「つつじの湯」。どちらも檜の浴槽で、ほぼ同じ作り。
野趣あふれる野天風呂もぜひ
宿にチェックインして一息ついたら湯巡りへ出かけよう。8階建て建物の7階には、箒川を望む檜の大展望風呂と新設した3つの貸切露天風呂「天空の湯」があり、保温や美肌効果が高い無色透明の畑下源泉の湯を堪能できる。特に貸切露天風呂は夜空に輝く満天の星や月明かりの下、気兼ねなくのんびりと湯浴みを楽しめる。
1階には湧花庵源泉の湯で満たされた大浴場がある。泉質は畑下源泉と同じナトリウム塩化物泉。若干の濁りと、とろりとした肌触りが特徴だ。保温性や美肌に加え、婦人病にも効能があるといわれている。さらに建物の外、箒川に架かる「山ゆり吊り橋」を渡った川沿いには、かつての共同浴場「青葉の湯」で現在は宿が管理する渓流野天風呂「楓の湯」が佇む。塩原渓谷の雄大な自然を肌で感じる、秘湯ムードたっぷりのこの野天風呂(45分2000円)には滞在中、ぜひとも入浴してみたい。
夕食はこの道40年の料理長、山際幸史さんが腕をふるう、地場食材を中心とした月替わりの湧花庵会席。温泉との相乗効果でより美肌になってほしいと、コラーゲンたっぷりの浜名湖産・鰻の串焼きやスッポンスープも提供される。肉か魚料理を選べる会席コースの宿泊プランもあり、別々のコースを注文してシェアするのもいい。
湧花庵会席肉コースに付く、黒毛和牛ブランド「とちぎ和牛」の瓦焼き。肉質の柔らかさに定評がある。フレッシュバターで焼いて。
湧花庵会席の一例。手前から季節の前菜と鰻の串焼き、旬魚のお造り。春には那須の名産、春香ウドや天豆などが登場する。
大田原市の天鷹酒造、矢板市にある森戸酒造の尚仁沢など、栃木県の地酒が宿泊人数分付く宿泊プランも実施している。
周辺には滝や遊歩道、自然研究路など景勝地も多い。塩原の自然を楽しみ、種類豊富な源泉掛け流しの温泉でリラックス。そんな至福の時を過ごせる宿である。
シンプルで落ち着いた雰囲気がただよう10畳の客室。3階と5〜7階が客室フロア。館内は無線LANの接続が無料でできる。
4階にある広々とした作りのフロントロビー。色浴衣を選べるサービスを実施(女性のみ)。完全予約制のエステサロンもある。
大きな岩の間から、湧花庵源泉の湯が掛け流されている大浴場の女湯「あじさいの湯」。渓流野天風呂以外は24時間入浴可能だ。
「塩原 湧花庵」詳細
住所:栃木県那須塩原市塩原451
チェックイン:15時
チェックアウト:10時
料金1泊2食付き1万6000円〜。
電話番号:0287・32・2010
ウェブサイト:http://shiobara-yuukaan.com/
※予約時に必ず「旅サライを見た」とお伝えください。
※宿泊料金は基本的に通常タイプの部屋を1室2名で利用した場合の、1名様分の料金です。
※特に記載がない限り、消費税別・サービス料込みです。
※別途入湯税がかかる場合があります。
※掲載されている料理写真は一例です。